【3月期最多得票作品】
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心臓の眠り
入間しゅか
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=12534
>心臓が眠るとき、どんな夢を見るのだろうか。
死についての詩であり、ちょっぴりホラーなのだけれどこの詩の眼目は私と心臓、眠るものが二つある。そうしてその心臓の眠り(死)を乗り越えて、一体どんな夢を見るのかという構造にあると思われる。じっさい、死が潜みつつ、言葉の上で、その死を問題にされてはいない。それは私と心臓という二つの眠るものがここにある、という事実の謎と不思議であった。【田中教平】
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埃まみれのフローリング
墨野みどり
https://www.breview.org/keijiban/?id=12540
引っ越しの詩ですね。やっとここともおさらば。埃をはらうことで、綺麗になる。思い出を美しく。磨け。好きなだけきれいにしたら、あとは草生す平野に、任せて。廃棄処分されても、思い出は消えない。心の風景は、悲しみの涙と共に流れて行く。新たな出会い、再会に、決意を込めて、思い出に別れるんだ。【黒髪】
作品の文章のレイアウトがきれいです。文は人なり、という事が事実であるならば、きっとこの作者の心根がきれいなんだということでしょう。何か圧倒されてしまうな。こういう作品を読んだ後に、自分が何か詩を書けるなんて信じられない。【田中教平】
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楓
1.5A
https://www.breview.org/keijiban/?id=12581
ビーレビュー・ファン必読の一作。作者の入念な多読が、緻密に語りを構成し、いう事なしの一作になっている。として、作者には作者独特のブレスがあり、これに魅せられてしまうと、中毒のように次作、次作に期待をかけてしまうようになる。【田中教平】
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【3月のセレクション】
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甘夏
田代ひなの
https://www.breview.org/keijiban/?id=12495
作者さんが意図したのかわからないのですが、この詩の中にみかんの品種名が入っています(マドンナ→紅まどんな)。甘夏は皮が厚い傾向にあるようですが、紅まどんなは皮が薄く、剥き方にコツが必要です。外見的に皮が厚そう(=闇がなさそう)に見えて内面は皮が薄い(=支えが欲しい)のかもしれません。この話者の「僕」の謙虚さ、応援します。【Frater Eleayin】
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日雇いザムライ
熊倉ミハイ
https://www.breview.org/keijiban/?id=12471
この作者のアイディアの豊かさには、驚かされる。一フレーズでも、大きな意味を持ち、一日の様子が、感情の動きと共に、言葉で形容されていく。苦しいことに直面する前に、幸せを求めて様々な体験を積んでいく作者は、現代における最も幸福な体験を積んでいる。そのことを、前向きに記述することで、読者はその言葉と感覚の調和によって、現実とはこういう可能性もあるんだと、目を開かされる。言葉による形容の向こうにある存在というようなもののもたらす、魂のダンスにまた加わりたいという感想を持った。【黒髪】
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穴
さか たけお
https://www.breview.org/keijiban/?id=12489
巨人が、マンホールの下にある。地下で行われている神話。暗渠の中での想像。さかさんが、マンホールに耳を当てると、全ての答えがわかってしまう。そうして、巨人と同一になったさかさんが、詩によって、新しい世界を切り開いていく。【黒髪】
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『成れの果ての』〝その続き〟を
A・O・I
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=12442
やばい領域に達しています。元々良くかける方ですが、益々の筆力をもって作品を展開されています。
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夜明け
たわし
https://www.breview.org/keijiban/?id=12575
作者は常に迷いつつ書きつめてきているような気がしたが、夜明け、あたらしい世界へ突入する、果敢なテンションが作品全体に乗っている。夜明けを終えて、広々とした新世界で又、果敢に書いて欲しいと背中を押したくて選出しました。 【田中教平】
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目線の先
むたんちゃん
https://www.breview.org/keijiban/?id=12509
一年に一度くらいは、人はきっと「栄光」の栄誉を得るはずだし、それが他者から見つけてもらうことであるならば、ビーレビューはそれに応える場所であるべきなんだ。筆致に「労苦」は見られないけれど、出来栄えはポップの極致。それにしても作者の詩が沁みるならば歳なんだろうなぁ、私は。【田中教平】
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春うらら
湖湖
https://www.breview.org/keijiban/?id=12561
それは日本的な「ザ・春」を描きつつ、どこかフランス詩のようでもある。春の語、巧みな情景描写で押しながら、最後、さらりと押した力を抜くことで、成立、成功しています。【田中教平】
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自答
トビラ
https://www.breview.org/keijiban/?id=12541
白菜一個、白菜の一枚でこれだけの世界が展開できる、それはどこまでも自答の範囲でしかないのだけれど、素晴らしい事ではないでしょうか。それと全体的にセンスが抜きんでていると思われました。【田中教平】
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夏鳥
中沢
https://www.breview.org/keijiban/?id=12527
スマートフォンで初読してぐいぐい引き込まれてしまいました。その感覚を信じるというか、考えれば、詩でしか表現できない事を書いてらっしゃる、素晴らしい。【田中教平】
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【フレーズ賞】
魔法と妖怪が雨土となるまで
岡柴 牡丹波さん「同一性と非同一性の統一」https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=12562
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