藍染めの少年たちは去るのではなく沈むのである
ここでいい、とためらいが折れ曲がり。明日へ
聞こえる と問えば、とどかない傘をまわす
端を持ちあげればアメちゃんがこぼれた頁
舌っ足らずに、にじみ 調律すれば
とめどなく隙間を詰めてしまえば
まだ終わらない日に、羽化す空蝉の川
しかし まだ温い腹に ただ 留まり続け
こんこん フードの奥 フィルタを抱えている
いのちの気配をただよわせる今では
やけ色のついたケモノの群れも踏み出せない
眠れない夜の胃袋も 猫ほどあるでしょうから
ほらね。「埋めば和ぐ」が先に来る
そこは回廊として暮らしたころ
数えきらずに亘り 拾われると僅か
稲穂は垂れることで まばゆさの深さに
書きかけた顔が散乱していた
長椅子の影は 食欲なし 呼吸浅い
湿気た午後だった 速度の輪郭にあたり
すべてが しおりのあとで 永らく 揺れる
観葉植物と白磁は飾り 無数のピアスと実り
犬みたいに吠える汽笛。決して、急いではいけません
濡れた革靴が揃っていた。少し噛みつくくらいで丁度いいの
ひかりはじょうずに喋れないから草笛を捨て
鈍色に一歩足りない跨線橋にあがる
大丈夫と言うには
くたびれたヒグラシみたいに鳴り止まず
「どこから 読めばいい」
示されない桃源郷のみどりごのせい
骨格をぼかし影狼は跳ばないまま
それだけに黙る声はいやに澄んでいた
熟れた段ボールみたいな花を敲く、舗装路へ
歩かぬことで 天井の隅から床を縛って、触れた掌へ
せかいはまっしろだった〝無駄じゃあなかった〟
コトダマになる シャボン玉の内側のよう
石造りの亀裂が甘ったるい湯気に混ざっていった
かすかに体温の残骸が 移る 可視光線
そこにある。布地が強すぎず、腐った夜気が、遠のく
切り離されない始点に反り、わからない薬瓶ばかり
蛍光灯は角砂糖を紬ぐ。言葉を噛み締めてゆく
印画は寄せ合った 愚鈍の男になりたい
耳障りな影絵が吐き出していた 星見をしよう
自由を売る万華鏡に閉じ込められる
カーステレオの代わりに 昨日の天気を焚く
視野は広いが、焦点は騒ぐ ときとけいく
スワイプしても戻らず、聞こえなかったとも言えず
減りも増えもせず、紫紺の潮騒を取りこぼす
片付けきらない積み木と、そこにいるように
ってことにしたい。って思いたい
もたもたと袖を垂らしている窓のそとでは
峰は消えるほど 渚に濃くなり
結び目をほどくために契られている
このチケットの 縁だけが ひん曲がる
さっきの顔、どれだっけ と笑い声
ひらかれている唯一の、――銃声
眠気みたいなものがゆっくり溶けるからだ
受け止めきれない煙霧、しおたれる、撒き散らされた
すいぎんとかげ ゆめゆめ のぞかせていた
遅かったね。蝶になるのか 蛾になるのか
堅い物が触れあって風を発する〝意味があった〟
煮込みながら みなで つついた おはじきみたい
蛇口の裾野を切るような、小綺麗な手を重ね
書かれなかったものがある。たぶん不十分だった
小さく頷く チョークの線 激しく徐行「してあげること」
しながら途切れない。偶然に/見えぬ/光景 咲き連なって
誰も笑わない「うんち。」空腹がちょっとずつ育っていく
乱反射した、ノイズから浮雲となって
「もういい」と言えば消える
しかし 言わずに置く ——ただ、ほんのりと あなたは曇る
かすみそうは、しずかすぎるね