一年で4,5回著作権の話が出た覚えがあるので、簡易的に記します。

1.著作権は著作者に自動で発生します。
2.放棄するという概念は原則ありません。
3.かるべのスタンスは著作者の意向を重視する
4.かるべのスタンスは著作者の意向が確認できない状況の場合、問題発生のリスクの重大度を予想して適宜行動する。

さて、かるべのスタンスであって運営の指針ではありません。
実際、そもそも曖昧な分野なのです。殊に文章の著作権は。引用と権利侵害の線引きが明確だと思わないでください。

過去、聖書の丸写しの投稿がありましたが、引用元の翻訳や版の関係上、極めて怪しかった(調べてみてください聖書の翻訳の著作権)ので、看過していると思われても問題なので削除しました。

歌詞の引用、という問題もありました。
これは歌詞をTwitterで呟くような程度でしたが、立派な権利侵害ではあります。
看過していると思われると心外ですが、当時から何かあったときに擁護はできないと宣言しています。

ビーレビ投稿作をリミックスしたものも少し著作権の話題になりましたね。
著作者の意向でオッケーなら問題にならないということです。無論、法廷闘争では意向は明文化されている方が安全ですが、人間関係の面では信頼性が大事になるので、一概には語れません。もちろん、事前許諾という流れもあった例なので、問題にはなっておりません。

ここからはものをつくる人がどのようなスタンスでいるのか、という浮き彫りの話です。
実際、引用があって新しい宝に出会うこともあり、作者はそれを喜ぶやもしれませんし、
それをネットに公開するというのがそもそも広く流布される願いがあるのだとも捉えられます。

なので、
引用の仕方についてのリテラシーだと思うのです。
タイムリーな話題では星野源さんのラジオトークを呟くアカウントが、呼びかけ直後に閉鎖された件でしょうか。
デリケートだったり曖昧だったりする引用の要件なので、著作者の意向に沿うのが大義かなと考え、著作者の意向がわからない場合は不安レベルに応じて、著作者が発表している場に誘導したり、いわゆる学術的な引用の範囲に留めたり、緩めな雑誌やメディアレベルで持ち出したり、語る上で不可欠なので法的に問題ない自信を掲げて多くを引用する、といった選択が考えられます。

今後の引用の参考にしてください。

「著作権についてのかるべの解釈」に8件のコメントがあります
  1. 今回の私の訳詩の投稿でのご指摘ありがとうございました。まだ作者の没後それほど経っておらず、著作権が有効と思われます。翻案権でひっかかるようですので、タイミングを見計らって削除の程宜しくお願いします。

  2. 削除よりも編集で よろしいのではないでしようか?
    著作権が有効な元の詩の部分のみ 削除でよいのではないでしようか?
    翻訳をされた皆様は、それぞれの方の 筆な訳ですから。

  3. るるりらさんへ
    どうやら、許可なく翻訳というのも著作権に引っかかるようなんです。勿論欧米の場合フェアユースという考え方も浸透していて、日本よりはそのへん寛容な感じもします。日本においてもコミケなどにおける二次創作は本来は著作権に違反しますが、事実上黙認されていますので、要は著作権者が行動を起こすか起こさないかの問題かと思います。ただ、今後法律が厳しくなって親告罪ではなくなる(一部では法改正により非親告罪化が進んでいます)、などはありえますし、何かあった場合に運営の皆さんにご迷惑をおかけしたくないな、という気持ちがあるんです。なのでやはり公共掲示板としての投稿は削除したほうが無難だと判断しました。

  4. そーなんですか。モラトリアムというか 削除するまえに時間の猶予くださいませ。

  5. わたし自身は、わたしのパソコン内にログをとらせていただきました。

    わたし個人にとって これからの創作活動にとって たいへん貴重な経験をさせていただきました。
    翻訳や議論をしていただき、感謝しています。関係した皆様、ほんとうに ありがとうございます。

  6. るるりらさんへ
    投稿のほうにもコメント追記したのですが、削除とすれ違うといけないのでこちらにも書いておきますね。
    一連目に「墓」とあるのはものすごい基本的な凡ミスで正しくは「厳しい」とか「重々しい」といった意味です。
    「厳しい」と「墓」って同じ「grave」という単語なんです。こういうところの言語特有の連想が随所にあってそれがやはり原文特有の面白みでもあり、日本語に置き換える時の難しさでした。
    私も今回非常に勉強になりました。コメントなどありがとうございました。

  7. 引用(第32条)  

    [1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で
    行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引
    用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳も
    できる。

    ———————————————————–
    俳句や短歌のような、短い著作物の場合、全文引用もできるようです。

  8. とても微妙なところまで、深まっていますので、
    かるべとして、運営として、混じった立場になることを以下は赦していただきたいところになります。

    ——

    リスク、ですね。
    日本の著作権法と、海外の著作権法と、ベルヌ条約について、深い知見が本来必要です。ただそれは法的な話です。
    該当の投稿(権利侵害の可能性を要因とした著作者の削除意向と運営の削除意向の一致しているので今回は削除する方針です。)が、国際上「公正」な「引用」であると論理と心情とリスクを鑑みて判断せられるべき、と考えます。例えばですが、当該作の著作権管理者から訴えられた場合、純粋に削除するだけでは留まらず、掲載していた期間分の賠償金がかかる場合があります。これはTwitterで自作の漫画や画像が無断転載されていた方が法的に訴えた日本の判例を検索するとわかりやすいです。

    今回、「公正」であるかは限りなくグレーであり(無断転載・無断翻案・無断公表・事後的な引用元の明記・自作としての投稿、対して文学や芸術の議論のための投稿・本サイトの非営利性・投稿者の対応から見られる誠意)、リスクを鑑みて、意見提案し、心情的にも方針としてユーザーと運営で合致したので、削除する流れだと、僕は認識しています。

    基本的に投稿作が権利侵害をしていないものとして運営されている点や、運営として権利侵害に対しては意識的に提案対応をしている点や、著作権は投稿作者にある点を鑑みて、投稿作の権利侵害に対する運営の責任は最低限にしたいと考えています。
    それは本サイトを運営が私物化にしないために必要な視点ですし、飽くまで作者は自作の公表責任を負う(=だから深く話ができる)ものと思います。

    「公正」な「引用」に限り広く認められるのは、衆知の通りです。
    1ユーザー以上に、創作者として以上に、一人の人間として、権利のことは私たちに実益・損益を伴ってやって来ます。

    なので、一概には判断できないので、個別対応となります。
    ※短歌などを全文引用できる、という解釈は正確ではなく、「公正である限り」が正確です。許可を取るか、学術的な対応をすることが原作者の著作権を侵害しない対応ではないでしょうか。目くじらを立てても回らないので、運用面でバランス・リスクを鑑みるということですね。もちろん、学術論文などの場合は運用面でバランスを取るなど許されるものではありませんが。

    今回、しっかりかるべの著作権への解釈を伝えられた件と、かるべも初めて勉強できた内容もあり、有意義なものを議論できたかと思います。
    端緒となった出来事は、また別件になりますが……

    ありがとうございます。

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