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宮永 蕗


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宮永 蕗の記録 ON_B-REVIEW・・・・

『風葬』 やわらかな猫にほおずりしても 子どもらの弾む肢体とふざけてみても 風呂上がり、ひととき満ちた湿潤は 珪藻土のマットに吸われた 暮れてゆくほどにとっぷりと、 誰かに寄りかかりたい夜があり 骨がきしむ 家族といれば、 母であれば、夜、 何も告げずに外に出ることもできない 身体を連れて窓辺に立って やがて名のない海岸へ、行き着く  暗すぎて、海がみえない 立ち続けようと足を 足首まで砂に捩じ込んだら バランスを失って 地べたについた両手の 手のひらが、つめたい  窓をひらく 水を奪う風に骨までさらして パウダーのようにほどいてしまいたい ひとり、コンビニに向かう あなたの鼻腔をくすぐり、遠く 冷えきった夜にまぎれて (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-11

「ねじの、王国」 ある日、ある夜、机の下に 見たことがないような、あるような、ねじ。 爪先にあたって、くるり、弧をかいた つまんで持ち上げ フッとひと吹き、ほこりを飛ばし とりあえず、ひきだしの隅にしまうのは ぽっかり空いたねじ穴を探して 見回し、覗き込んだ、十数秒の後のこと 世の中は、 しまわれたねじで一杯になって わたしは暖まり、眠くなる                ねじはいつしか弛み、はずれ落ちてしまった。けれどもそのために、音を立てて崩れ去る王国はなかった。長らくまみれていた床のホコリが請け合ったように。あの懐かしいねじ穴にふたたび呼ばれる日を待って、ねじは乾いた夢をみる。世界の中心にあるひきだしの、隅で。 歯をみがき、寝じたくを整え 寝室のとびらを開けて、閉めた。 灯りをしぼり 部屋の壁の一つの角に ぴたりと寄せたベッドに横になり くるり、綿のようにやわらかな 毛布にくるまって、 眠った。 うたかたの ねむりにつくまでの みちすがら  (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-10