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すれ違いもせずに   

作成日時 2019-01-10
コメント日時 2019-01-15

台所のテーブルに積まれた缶ビール横目に 行ってきます、の挨拶もせずに無言で 少年は家から出てゆく きっちりと結い上げたみつあみの最後を 黒いゴムできつく縛る 少女は小声で行ってきますと挨拶する 些細な事で苛立つ過敏な少年と なにもかもを諦め切った少女の 視線の先 なぜか共有して いつ 出会えるだろう 少年の遣る瀬ない苛立ちと 少女の漠然とした諦観を 理解し合える二人 いくつもの偶然を編みこんでも 出会えないままの少年と少女 少年の中の海鳴りと 少女の中の潮騒 こんなにも近い魂の反響でさえ 行き場もなく空に吸い込まれる いつの日か 巡りあう事を夢見て *TM NETWORK 「Human System」へのオマージュ


項目全期間(2019/03/21現在)投稿後10日間
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2019/03/21 07時06分16秒現在
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コメント数(4)
ふじりゅう (2019-01-11):

拝見しました。 魂(=海、海水、転じて波)の反響(=少年は海鳴り(=何か(台風、嵐など、転じて不穏な事態)が起こる前触れ)、それを受けての少女の潮騒)も虚しく、空へ吸い込まれる様が魅力的に感じました。 少年は「些細なことで苛立つ」「遣る瀬ない苛立ち」など若々しいイメージ(反抗期的な)ですが、対する少女の「漠然とした諦観」、また何もかもを諦め切っている様など、世の中の虚しさを達観したかのような描写です。その姿はさながら少年の行く先のようであり、挨拶もしないで家を出る、これまた反抗期的な描写と対比して少女の小声の「行ってきます」の虚しさが絶妙です。少年と少女はとどのつまり負の方向での似たもの同士であり、かつその虚しさをお互いが消しされる存在であるのだ、という声が「巡りあうことを夢見て」という締めから聞こえてくるようです。 少年と少女の対比が考えられて作られていますが、何より後半の「すれ違い」が見事だと感じました。 オマージュ先が存じ上げませんでしたので、そちらを知ればまた印象が変わる作品かもしれない、と思いつつ。

オオサカダニケ (2019-01-11):

10、15、20行目の表現は苛立ちと諦観が紙一重な心理であることに基づいたものであると解釈しました。 「すれ違いもせずに」というは切ないですね。

桐ヶ谷忍 (2019-01-13):

ふじりゅう様 こんにちは、ふじりゅうさん。 面はゆいお言葉をたくさん、ありがとうございます。 でもオマージュ先はまだ、とのことで、多分オマージュ先をご覧くださったら、この詩なんかゴミみたいに感じられちゃうかも笑 まるっきり感化されて出来た詩なんです。 良いと思った物を観たり聴いたり読んだりするのは、素晴らしい体験であると同時に恐ろしいものだなと思います。 どうもありがとうございました。ぺこり。

桐ヶ谷忍 (2019-01-15):

オオサカダニケ様 こんにちは、オオサカダニケさん。 そうですね、仰るようにそこは苛立ちと諦めが紙の表裏のようなものだと思って(少なくともこの詩においては)書きました。 昨夜、信号が点滅している横断歩道を早足で渡ろうとしたところ、私の後ろから走って追い越していった人がスマホを落としていったんです。 私はそのスマホを拾って彼を追いかけ渡したのですがね。 すれ違って、少しのやり取りもあって、でも実際それでなにか始まるかといえば、なにも始まらないんですよね、当たり前ですけど笑 この詩は、それ以前の話なのですが、オマージュ先の歌詞は「すれ違っているのに、なにかが始まるかもしれないのに」って更に切ないんです。 なんでしょ…何がいいたいのか自分でもまとめられないのですが…まあ、そんな感じです。 どうもありがとうございました。ぺこり。

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