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嗚咽 *   

作成日時 2018-11-22
コメント日時 2018-12-13

デスクに向かって 涙を流しているのは 仕事が辛いからでは ない ときに 軍需産業の株価の上昇に 爆撃機の離陸を想起し 墜落して死んでいった兵士に 家族がいることを思って 涙を流すことがある あなただってあるはずだ 無いとは言わせない ときに 芸能人の結婚に ドレスを紡いだ南方の女工らの 故郷を捨ててバスに揺られて 暑さに耐える姿を思い むせび泣くことがある あなただってそうでしょう なぜそう思わないんですか ときに 名門校の優勝に 不登校の生徒たちが 帰宅部にすらなれぬまま 退学することを思い 嗚咽が止まらぬことがある あなたはそう思わないんでしょうか そうなんでしょうね デスクに向かって 涙を流しているのは 仕事が辛いからでは ないので ちゃんと仕事しますから やってますから 大丈夫ですから


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2019/03/24 00時13分07秒現在
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コメント数(16)
まりも (2018-11-22):

ものすごく「正攻法」の、いわゆる社会派の作品だなと思いつつ・・・あえて直球で、世界の悲惨に涙する感性をまだ有している、それでも仕事はしなくちゃね・・・・というような反語の方向に、つまり、ある種の諷刺の方に向かおうとしているのか?と思うところもあり。 社会的な事象に、一定の理解を示しています 共感、同情する感性も捨ててはいません ・・・というその先で、斜に構えるのか、何もできない自分に憤るのか、諦めるのか・・・言葉で訴えるのだとしたら、オムニバスのようにたくさんの景に気持ちを寄せては離していく、ということでは通りすぎてしまうので、どれかひとつのエピソードに肉薄していく、というようなアプローチの仕方があるかもしれません。

小林素顔 (2018-11-22):

まりも様 コメントありがとうございます。 個人的には「社会的な事象が目の前を通り過ぎていく無力感」を表現したかったのですが、仰るように、オムニバスで沢山の景を並べていくのは、詩に深みをもたらさない技法なのだなと、指摘を受けて確認しました。 本人としては社会派の自覚も正攻法の気構えもなく、結構ひねくれた気持ちで書いたつもりだったのですが、受け手によってこんなにも感想が違うのか、というのを知り、改めて詩というのは難しいものだと再認識いたしました。 ありがとうございました。

藤 一紀 (2018-11-22):

こんばんは。かつてWTCの爆破テロがあった時、救援にかけつけた消防士は選りすぐりの精鋭だったそうです。亡くなったあとも子どもたちのヒーローなんだとか。あんな人たちが亡くなって、役にも立たない害ばかりの連中がのうのうと生きてるのはおかしい、とかつての仕事仲間が言っていました。まあ、言い過ぎではあるけれど、勤務態度は怠慢で言いたいことだけは言う、それ以外は指示も他人ごと、そんな連中が多いのはたしかでした。そういう連中といっしょにいると、どんどん疲れちゃうんですよね。自分を落としたくないから頑張ってモチベーション保とうとするのだけど、それもアホらしく思えてきて、だんだん、はいはい、まあ、いいですよ、みたいになって。いっしょになって仕事してた仲間だったから気持ちがなんとなくわかった。冷めていく過程がよく書かれているように思いました。

蛾兆ボルカ (2018-11-22):

こんにちは。 仕事が辛い、泣けるほど辛い、ということを、効果で言えば明喩にあたるレトリックで語っている詩なのかなあと思います。 不登校の子どもみたいに辛いとか、兵士に家族がいることみたいに辛いとか。 そういう構造ではないのですが、効果としてはそうなることを、「あなた」と作者が共感できるであろう典型的な悲しい事例の提示という構造で、逆説的に語っているのかもしれない、と解釈しました。 しかしこうして拝読しながら感じたのは、あまり共感できないなあ、ということでした。 もしかしたら、典型的な例を抽象的にあげたために、明喩としての効果が弱かったのかもしれません。「○○のように悲しい」と、いう場合、○○は具体的なほうが伝わるように思うのですが、それと少しは何か関係あるかも、と思いました。

蛾兆ボルカ (2018-11-22):

コメント投稿後に作者のコメントを見ました。 私は作成意図ととはかなり違う読みをしたかもしれません。他意はありませんのでご容赦下さい。

小林素顔 (2018-11-22):

藤 一紀様 コメントありがとうございます。 自分の詩ではあるのですが、ご指摘いただいたような解釈の仕方があるのだな、と、初めて知りました。詩は発表された後は読者のものになるとは言われますが、藤さんのコメントのような、ある種の散文詩的な世界が読者に広がるというのは、詩人にとって誇らしいことだと思いました。 ありがとうございます。 蛾兆ボルカ様 コメントありがとうございます。 詩人が、自分の書いた詩によって、作成意図とは異なる印象を読者に与えたとしたら、それは詩人の技量不足であり怠慢です。つまり私のせいです。共感できないのも無理はないと思います。共感頂けるだけのものを描写できなかったのは、私の技量不足という点につきます。 今後とも、率直なご意見をよろしくお願いいたします。

南雲 安晴 (2018-11-23):

この作品では、目の前のこと、日常というもの、とりあえず近くにあることにつながれている人間の、もう一つの側面が、すなわち、想像力や推察、気づきによって、遠い事実を知って苦しんでしまうという人間の側面が、書かれています。私も高校時代、自分がこうやって受験勉強をしている間にも、幼い頃遊んだ自然、川や林が失われているという事実を思いやって苦しんだ経験があります。この作品の中には、社会の事実を細かく書いた箇所があって、見どころになっているのは確かです。が、読者は、この作品をしばらく眺めているといつしか、もっと広く、人間の内面の物語として読んでいる、あるいは感受している自分に気づくことでしょう。

小林素顔 (2018-11-23):

南雲 安晴さま コメントありがとうございます。 私の伝えたかったことを私以上に具体的に理解いただき、かつ詳細に説明頂きまして、申し訳ないくらいです。拙作そのものよりも、私の伝えたかったテーマが皆さんに理解いただけるコメントだと思います。 本当に、私から改めて説明を加えることができないくらい、緻密に解釈頂けたことに、感謝します。 まことに、ありがとうございます。

るるりら (2018-11-24):

はじめまして  正直いいまして、わたしにはこの詩のの構造が ちょっと よくわからず、不思議でした。 どうやら詩中の話者は職場のデスクで泣いている様子。そして、話者は どなたか特定の人物に「あなただってそうでしょう/なぜそう思わないんですか」と、言っている。ここでいう「あなた」とは、一体誰でしょう。 いうまでもないことですが、ネット詩は、不特定多数の人々に発せられています。 そして、詩文中に「あなた」とある場合 読者は、(わたしのことかしら?)と、思うこともあります。読者の中には「あなただってそうでしょう。なぜそう思わないんですか?」と言われて、いやいや私も泣いたよ。という人だって 大勢の中には いらっしゃるかもしれないです。 では どのような読者が、話者と同じように涙を流したことがあるかを考えてみました。 たとえば 本や映像の編纂編集のお仕事の方とかならば、膨大な資料を整理時などに あまりに悲惨な記事や映像を見聞きし、机に思わず涙してしまうようなことがあり得るかもしれないなと 想像します。 仕事で辛い記事や映像を閲覧せざるをえなくて涙したなら、泣きたいときは泣けばいいんだよと わたしは言って差し上げたいです。 ただ、この詩では 話者の置かれた職種や状況が想像しにくいと、感じます。 といいますのは、現代ではスマホなどのインターネットの普及により、どのような職種のどのような場所であっても、醜く耐え難い事柄を見聞きできるわけでして……。 私は、この話者に共感して良いものかどうか とまどいました。つまり、 この詩の話者のお仕事は、急に泣いてて良いのか、詩文だけでは 良く分からず、 すくなくとも 私は、拝読していて共感して良いものかどうかと 戸惑いました。 しかし、高ぶる感情の発露がこの詩にはあり  人として とても人間味を感じました。 列挙しておられる悲しい出来事について 勉強してみたい気にもなりました。

小林素顔 (2018-11-24):

るるりら様 コメントありがとうございます。 ご指摘を頂いてから、なぜこんなケアレスミスを犯していたのかと、自分でも唖然としました。てっきり自分は、読者が、ある種の物語的に、「詩人はオフィスのデスクに座り、詩人の上司たる人へ、心の中で呼びかけている」シチュエーションを読み取ってくれるだろうと、勘違いしていました。自分の筆力を過信していた部分もございます。 私のミスです。申し訳ありません。

るるりら (2018-12-13):

生意気を言ってしまったのですが、その理由を告白させていただきます。 わたしは、以下の部分に覚えがあります。 ときに 軍需産業の株価の上昇に 爆撃機の離陸を想起し 墜落して死んでいった兵士に 家族がいることを思って 涙を流すことがある あなただってあるはずだ 無いとは言わせない 膨大な資料を整理する仕事についていたときに、私は 引用させていただいた箇所のような新聞記事に涙したことがあります。軍需産業で有名なとおる企業に父が努めていたことや その企業は一部上場のある意味では立派な企業とされていること。しかし、その背後にある戦争の酷さに 胸がしめつけられるような思いになったことが、わたしにもあるのです。  つまり、わたしがこの詩を分からないといったのは、この詩を知りたいと思ったという意味と同義なのです。ですから、ミスと言わせてしまった私の拙さを反省しているところです。 ぜひ また 詩を拝読させてください。言葉が足らず申し訳ありませんでした。 ときに 軍需産業の株価の上昇に 爆撃機の離陸を想起し 墜落して死んでいった兵士に 家族がいることを思って 涙を流すことがある あなただってあるはずだ 無いとは言わせない

小林素顔 (2018-12-13):

るるりらさま 承知いたしました。 こちらこそ、誤解して申し訳ありませんでした。 どうか、お気になさらず。

環希 帆乃未 (2018-12-13):

私の感じた事なので、外れてるかもですが書きます。自分が相手の立場に立って自分の事のように、感受しての涙だと私は感じました(ですが、本当に相手の立場にはたてません)どの様なという感情は私は述べません。私が昔そうだったんですよね。ですが今の私は泣きません。私には私の泣かない、泣けないではなく、泣いちゃいけない理由があります。

小林素顔 (2018-12-13):

つきみさま コメントありがとうございます。 私も、詩を書くにあたって、読者がどう理解するかということへの配慮が欠けていたのかもしれません。改めて気を付けて詩作をおこなっていこうと思います。

stereotype2085 (2018-12-13):

込み入っている。込み入った悲しみを感じる。非常に道義的で同情心に満ちた悲しみ。この悲しみに同調出来るかどうかは意見の分かれるところだろうけど、少なくとも僕は気持ち良く一気に読めた。過剰な描写と文章力で一つの詩世界を構築するのもベストだが、こういうストレートなメッセージ性を秘めた詩文も悪くはない。とにかくもデスクで忙しさの余り、あるいはストレスの余り泣いているのかと思いきや、からの描写するフィールドの拡大は中々に面白味があったと思う。まぁこれを読んだ素直な感想は「あれ」ですわ。

小林素顔 (2018-12-13):

stereotype2085さま コメントありがとうございます。 「気持ち良く一気に読めた」とのことで、そこに救いを得たような気持ちです。ご指摘の「込み入った悲しみ」こそが、この作品の課題だと思います。この「悲しみ」が、中途半端な多面性を抱えていたため、読者の皆さんの評価が分かれたのだろうと思っています。一つの明確なメッセージを伝えられなかったのは、今回この作品においては失敗だったのかもしれないと思いつつあります。もちろん、様々な解釈が可能な作品があるのも知っていますが、今回のこの「嗚咽」に関しては、明確な伝達意図がありながら、その意図がすべての人には伝わらなかったと、振り返って考えています。 ですが、stereotype2085さんに評価いただいたこと、改めて感謝いたします。 講評ありがとうございます。

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