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彼女のrの発音/魔法使いじゃないので   

作成日時 2018-11-03
コメント日時 2018-11-25

1r いくらがんばっても lu, lu,  lu, lu,   lu そのくちもとへ 2r わたしには ぉろしあ人の血が混ざってるのよ と言って出してくれるぼるしちは いつもぬるい 3r ガーリック   2かけ バター     15g 小麦粉     15g 牛乳(煮立てた)100ml 塩、コショウ  少々 スパゲッティ  200g オリーヴ油   大さじ3杯 ------------------------------- 彼女はときどき僕の部屋に来て嬉しそうに作る 食べた後に r がとてもなめらかになる たまにオリーヴ油だけのときもある 4r うたのお時間は 彼女の声だけに 耳を澄ませていた ららら  が少しくぐもった翌日 どっかにいっちゃった のに 今もときどき 聞こえるよ 5r これだあ と、黄色い声をあげながら 彼女が素っ裸でバスルームから飛び出してきた なにやら左の手のひらのものを差し出している むしゃぶりつきたくなるのを抑えて なに? と素っ気なく聞いてみると 手のひらにそっとたらしたシャンプーが 彼女の言うところのrの発音 の感覚なんだと言う それから シャンプーを手のひらにとるときには rrrr と唱え そして 毎週のように違うシャンプーを買ってきては 気分を変えて rrrr と唱えている らしい が 彼女のrの発音がとくに変わったということはなく そんなことはもちろん 彼女になんか言えないのだけれど ただ どんなシャンプーを使っても 彼女の洗い髪の匂いだけで 僕はまいってしまう ようになってしまった とくに変わったということもないのに 彼女自身は そのrの発音で 僕がまいってしまうものと信じている 今日もバスルームから 変わらない君の r 魔法使いじゃないので 不器用に生きている君の笑顔が好きでたま らない僕は、なおのこと不器用なんだろう。 そんな日々で幸せを数えてゆく。    


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2020/01/22 18時36分37秒現在
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コメント数(14)
stereotype2085 (2018-11-04):

特殊な詩、特殊な試みの詩として読みました。だがしかし料理のレシピにでさえ詩情をもたらすことに成功しているのはなぜでしょう。それはおそらくこの詩中に出てくる「彼女」の得も言われぬあどけなさに理由があると思います。rを上手く発音出来ない彼女に話者がやはり心惹かれているのが初めから分かり、尚且つ読者もその彼女の不器用さに最初から惹きこまれていく。だからこそオリーブ油だけの時もある料理のレシピが妙に可愛らしく、愛おしくも見えてしまう。そして最後「魔法使いじゃないので」で始まる告白が、静かな日常風景を愛情で以て描写したかのように、読者の胸に刺さってしまう。奇妙な構成の詩なのに、やはり「これは詩だ」と思わせる技巧。中々のものだと思います。

AB (2018-11-04):

ステレオさん コメントありがとうございます。特殊とか奇妙なつもりはまったくないのですが、詩になってると思えていただければ幸い。オリーブオイル、何でしょうね、と自分でも思っています。

南雲 安晴 (2018-11-05):

読ませていただきました。 良いですね。「クリエイティブライティング」です。 掲示板をなんとなく見てはめくっていたらこの作品に目がとまりました。 まずlu, lu,……という箇所、それから1r、2r……という特殊な箇条書き、それから食材の部分が目についたのです。 なので最初に戻って一字一字読んでいきました。 確かな日本語の使い手でした。彼女と交換しているやわらかい感覚が伝わってきました。 ちなみに私は第55回ロシア語能力検定試験3級に合格しました。でもすでに上に書いた通り、このことがこの作品を読ませていただいた理由ではありません。

AB (2018-11-06):

南雲さん お目に止めていただき幸いです。コメントありがとうございます。 通常の範囲内の書き方だと思っていますが、引っ掛かる物があって良かったです。 第2外国語でロシア語選択しました。そのため巻き舌と言えばロシア語と勝手なイメイジです。ぅるうすきー 、 ヤーニェズナイユ、ヤーズナイユニェムノーガばっかり言って、なんとか可の評定でした。

南雲 安晴 (2018-11-06):

仲程さん、コメントへのコメントありがとうございます。 実作者の感覚としては、こういう書き方も自然なものなのでしょうね。 読者が引っ掛かりを覚えるということは、とても大切なこと、文学の命みたいなことだと思います。 B-REVIEWは勉強になります。

帆場 蔵人 (2018-11-07):

これは優しい詩ですね。料理のレシピを詩に組み込まれているのは、料理が好きなぼくとしては目を惹かれました。同時にそのレシピに詩情を感じるのは料理は作り手や家族や国の歴史なんかに繋がっていくからでしょうね。

AB (2018-11-10):

南雲さん 再コメントありがとうございます。 文学、と考えると書くのも読むのも難しいですね。

AB (2018-11-10):

帆場蔵人さん レシピ、効果的であったようでうれしいです。 そういえば、鬼平犯科帳の料理の描写は好きでした。 コメントありがとうございます。

ゼンメツ (2018-11-12):

こっそりとずっと仲程さんの作品が好きなので、気の利いたことを書きたかったのですが、本当にただただ好みの作品だったということを伝えたくてコメントします。「彼女」の描き方は単純にめちゃくちゃ可愛いし、それを見る「僕」のその心情のすくいかたも僕の好みです。 この詩は「プルバック式の車の玩具」みたいに、引いて引いて引いて、最後に手を離したその勢いに乗る。というとてもシンプルな構造だと思います。そしてこの自分もその溜めでうまいこと「彼女」のとりこにさせられ、そのまま、すんなり「僕」に重ねられました。

AB (2018-11-14):

ゼンメツさん コメントありがとうございます。こっそりもありがとうございます。 プルバック式の・・・ 確かに、うまいこと言われるな、と思います。 最初は抵抗なしに軽く引っ張って、そのうちぐぐっと無理くりの一歩手前で、手を放す。 すんなり、入り込めていただいて、よかったです。

IHクッキングヒーター(2.5kW) (2018-11-24):

リア充爆発しろ!って言いたくなりました。

田無いなる (2018-11-24):

僕も第二外国語がロシア語でした。えたくにーが(これは本です)。 個人的には4rがいちばん気になります。上手く読み取れなくて……と、思ったのですが、ここは「僕」と「彼女」のこどもの頃、なのかな、と今なんとなく思いました。

AB (2018-11-25):

IHクッキングヒーター(2.5kW) さん コメントありがとうございます。 個人的にはリア充満載の詩や歌はあまり好きになれないんで、不発気味ぐらいか

AB (2018-11-25):

田無いなるさん やはり、というか、そこだけそばには居ない人で、無理がありますよね。それでも、読んでいただいた方が、どんなふうに繋げてもらえたかと気になります。 スパシーバ

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