B-REVIEW杯結果

このトピックには1件の返信が含まれ、1人の参加者がいます。2018-10-26 02:01ビーレビュー ビーレビュー さんが最後の更新を行いました。

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  • #401
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    毎月の杯結果を発表していきます

    #402
    ビーレビュー
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    【9月B-REVIEW杯】
    対象:9/1~9/30に投稿された作品

    候補作:全7作
     あきら@ちゃーこ「定義」 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2313
     田無いなる「トビウオ」 https://www.breview.org/keijiban/?id=2359
     survof「ストロボ」 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2264
     斉藤木馬「薄明」 https://www.breview.org/keijiban/?id=2307
     黒髪「声」 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2347
     三浦果実「0. my world. 」 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2237
     帆場蔵人「唯一の友だち」 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2271

    投票期間:9/15~9/25

    結果:

        「定義」□□□□
      「トビウオ」□□□□□□
      「ストロボ」□□□□□□□■
        「薄明」□□□
         「声」□□
     「0.my world.」□□□□□
    「唯一の友だち」□□□□□□□

    survof「ストロボ」に決定!

    選んだ理由:
    「定義」
     ・ほしいから
     ・あきら@ちゃーこさん『定義』。初連【一山の藁は一体のひとがたに】と7連【あなたはわたしに釘を打つ】から、主題は「呪いの藁人形」と読まれます。「藁人形でわたしを呪う(わたしを悪と定義する)者だけが、わたしの真相(わたしが目を背けているわたし自身)を知っている」という皮肉な『定義』が、2-4連に書かれている「わたしを創った(育てた)人々の労力」の美しい描写との対比で、印象的に物悲しく感じられます。精度が高く深みのある印象的な作品で、しかも難解でありません。大賞にふさわしいと思います。
    「トビウオ」
     ・簡易な語句ばかりなのに技巧がすごい
     ・シンプルな中に、色々な投影的要素があり詩情があふれる。
     ・単純に好き。
     ・優れた短詩に敬意を払いたい。この詩の景に魅せられました。
    「ストロボ」
     ・風景描写ということを考えていると、ときどき、そんなものは詩にはいらないんじゃないか、と思う時があります。花火が開いた瞬間その振動、光、音、そんなものは誰でも知っているし経験している。そんなものを共有するためにそんな景色を書き込むことに、どうしようもなく意味の無さを感じてしまうことってあると思います。
    ただ、この作品の場合風景というのはもちろんそんなようなただの記号にはなっておらず、この登場人物の「僕」のとてもユニークなフィルターを通した光や音や振動であるからこそ、その描写が胸に迫ってくる。
    唯我論といういささか古めかしい言葉を思い出す。なぜかと言うと、唯我論(一切が私の中の出来事であること)という(科学が発達した)今考えてみるとやはり支持し得ない論の中において、唯一その功績をたたえることができるとしたら、「美しい風景など無い、美しいと思う私がいるのだ」という美的唯我論(勝手に名付けた)をそこから取り出すこともまた可能だと思うから。
    この詩における風景とは、花火が開くその瞬間、ストロボの光のような刹那なのだけれども、その風景を描くために物語があり、「美しい風景」ではなく「その風景を見ている私」というものであるから、その刹那にぱっと開いた話者の情念というものが、どうしようもなく、読んでいる私にシンクロしてくる。
    「その日彼女が貸してくれたあの本」というのを私は勝手に「ウェルテル」かなと読んでいたのだけれども(ウェルテルの場合最後は頭部を貫いたのだった)、ウェルテルでも確か、拳銃を渡したのはロッテだった。残念ながらいま手元に本がないのでこれ以上深入りすることはできないのですが、「彼女」の「罪(彼女はその罪を知らない)」というものと、その運命の残酷さ、というものが際立って、「僕」がそのことに意識を寄せると「そう口に出そうとしたら揺らめいて」パラパラと切り裂いていく。この場面に顕著ですが、物語を飾るための風景、ではなくて、この一瞬のため、この「僕にとっての風景」のために、連ねられた描写の鮮やかさが際立ちます。
     ・ひとえに花火が自傷だったという着想。それでいて眩いほどに刹那的で美しい。青春期のちょっとした屈辱感が描かれているかとも思ったが、候補作品すべての中で一番説得力のある形で光っていた。
     ・候補の中で「一番良い」作品だと思いました。特に技術的な面で。
    「声」
     ・無駄な言葉がなく、端的に詩情を表現している。また、作品として美しい。
    「0.my world.」 
     ・大賞ください
     ・やっと良いもの書けたんだから、良いところまで行って欲しい。
     ・でもまじでこの並びなら大賞とってもいいと思うよ。
     ・「私の世界を変えるものなんて何もない」へ収斂していく様が見事だと思いました。諦念ではなく高い熱量を感じて、もう一度読みたくなります。
    「唯一の友だち」
     ・モノクロの無声から始まり、徐々に町の喧騒が聞こえ、さっと主役にフォーカスして色づく、ような1~3連の鮮やかなカメラワーク。いつかはこんなふうに書けるようになりたいです。
     ・《ポストが》と、ただ一行だけの第三連。ここが良い、と思いました。
    詩に心臓があるなら、この詩の心臓はたぶん、ここかな、と。
     ・帆場蔵人「唯一の友だち」に投票します。ここまで独特な孤独を詠んだ詩は、なかったと思うので。
     ・「唯一の友だち」情景が見え、物語が見えた、気がするので。

    雑感:
     新運営になってから2回目の投票であるが、どちらも波乱万丈である。今回は決選投票にこそならなかったが、しかし投票途中でなんども暫定1位が入れ替わった。おそらく最も投票経過を多く見ている私は気が気でない。25日の終わりに最多投票数を得ていた作品を大賞にすればいいだけの話ではあるが、しかし管理側というのはそう気軽にはなれない。同率一位が現れれば決選フォームを作らねばだし、そうでなくてもやはり経過は気になる。
    接戦につぐ接戦の末に今回大賞を勝ち取ったのは「ストロボ」だ。survof氏は2月ぶりの大賞であるが、実はビーレビ史上一人の人物が2回大賞を得ることはこれが2人目である。その栄光、実は私が狙っていた。獲られてしまい悔しさはあるが、しかし栄誉あるsurvof氏には素直に拍手を送ろう。(渡辺八畳@祝儀敷)

    訂正:大賞2回は先に武田地球(り)氏が達成していました。(2018.10.28)

    投票フォーム:https://goo.gl/forms/1I2NXyvGVRo4AMsr2 
    (システムの都合上「唯一の友だち」「唯一の友達」と二つに分かれてしまっていますが、票数は合計して集計しています)

    • この返信は3 週間、 1 日前に ビーレビュー ビーレビュー さんが編集しました。
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