歌の散歩道♪

このトピックには37件の返信が含まれ、3人の参加者がいます。2018-12-04 17:05fiorina fiorina さんが最後の更新を行いました。

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  • #486 返信
    fiorina
    fiorina
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    [森へ]

       呼ばれたようなきがして

                  森に

       あえたのだろうか
         気配だけが みちている

         きみはまだ
          窓辺で
          道ゆく人を見ているかもしれない
            瞳のなかの夕暮れを

       森に行った

          たしかに呼ばれたのか知るために

           手をのばすと風がきて
             ぼくだよ
                という
          雨が下りて
          むかし見たように声をださずに流れる
          さめる時間を知った夢が
           うしろから
          髪に顔をうずめて抱きしめる

          ひそやかなそこで あえたのだろうか

          このまま声はかけないでおくれ
          もう困らせたくないから

        朽ちた道標を信じて
        森の奥
        知らぬ旅人が
        さまよう夜

          あえたのだ
           と 一番小さい希望のようにともり
          またくりかえし見うしない

    ・・・・・・・・・・・
    おやすみなさい~

    #487 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [何故]

         見しらぬ人がとなりの席にいる
         ひらいた本のページから
         離れた視線が
         紅茶の湯気の向こう
         さまよってる
         会いたいひとがいて
         向かい側にひとつの空席
         わたしにはいつも
         そのことが不思議でならない
         何故ひとは
         限られた生の時間を

         ただ
         空席をみつめ続けて
         そこにとどまるの
         となりにはいつも見しらぬ人

             *    

         ふるさとに年老いた母がいる
         母のちゃぶ台をまるく
         死が照らしている
         その下で時おり母は
         自分で気付かず
         わたしの名を呼ぶ
         おさない兄や姉の名を
         ちゃぶ台のまわりの
         いくつもの空席その不思議を
         母には
         解き明かせない

         母よ
         きっと求めるものが
         向かいあうよりも
         大切なことがあるのだろう

         そして
         いくつになっても
         それを悟らない
         魂のこどもがいるのだろう

         答えは
         問いのなかにある
         と教えたひとは
         別離という問いを残した

         くりかえし寄せる波の彼方

    #488 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [紫陽花の小路]

           あなたが迷うための
           地図を書いた

           たしかこの辺り
           と思うのに
           どうしてもたどり着けない
           たどり着くとふこうになるから
           かえりみちを 忘れてしまうから

           あじさいが咲く小路に
           心細くたたずんで
           ゆめの残りを吸いこんだら

            さあ

           と おもいでに言いきかせて

           おかえりなさい

    #490 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [砂に書いた手紙]

    砂に書いた手紙を 波が消してしまった
    あのひとは まだ 読んでいないのに
    あのひとは まだ 読んでいないのに

    いいえ
    砂に書いた手紙を 消したのは わたし

    もう日が暮れたから
    カモメが読んだから

    #492 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [ニュートン]

    おふろでリンゴを食べました

    食べのこった芯を浮かべて
    アルキメデスを実験する
    リンゴと呼ばれたところを
    わたしに食べられて
    芯は
    ずぶぬれの子犬のような姿で
    その重さを沈んだ

      愛と呼ばれたところを
      わたしに食べられて
      ずぶぬれの子犬のような姿で
      おふろに入っているだろう誰かのこころ

        浮かんだり 沈んだり

    木の枝からはじめて落ちたときの
    まあたらしい愛を
    もう証明できない

      # リンゴの芯から はじめようね #

    • この返信は2 週間、 4 日前に fiorina fiorina さんが編集しました。
    #493 返信
    fiorina
    fiorina
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    [揺れるじかん]

         このせかいの
         初めから生きたひとはいない
         このせかいの
         終わりまで生きるひとはいない

         とちゅうから とちゅうまで
         だれも みんな

         ゆめからゆめまでを
         いっしょに渡ったね
         不思議だけを追って
         (ハミング)

         窓のそとがどこかを知らず
         沈む舟にのった
         だれってきかずに 呼びかわした
         (ハミング)

           とちゅうからとちゅうまでの
           すぎゆくいのち
           きえゆく叫び

    • この返信は2 週間、 4 日前に fiorina fiorina さんが編集しました。
    #496 返信
    fiorina
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    ~ ティータイム☕ ~

    L.M.モンゴメリ著『銀の森のパット』

     
     パットはつまづきながら小径を登り、やみくもに牧場をつっきって庭木戸にたどりついた。今までこらえていた涙が、一度にどっとあふれでた。もう、たまらない。何もかも失ってしまった。どうして耐えられようか!

     月が昇りかけ、『霧が丘』に銀色の指をかけていた。海は青い真珠となっている。夢みるように安らかな果樹園が手招きしているように見える。銀の森屋敷には、親しみ深い灯が明るく輝いている。パットは、涙をぬぐってながめた。

     なんて頼もしい古い家だろう・・・・・・この家を愛する者には、いつも忠実である。ひと足中へ入ったとたん、この家が味方なのを感じる。なつかしく、また美しい過去がみちみちている。わたしは、この家の出来事を一つとして忘れていない。愛と悲しみ、悲劇、喜劇、赤んぼうの誕生、花嫁の夢。古い鏡の前には、さまざまの流行が去来した。
     この家は、わたしを生まれた時から知っている。この家はむかしと同じだ・・・・・・・少しも変わっていない。表面だけがちょっと変わっただけだ。ああ、わたしはこの家がどんなに好きなことか!
     バラ色の朝や、琥珀色の夕日の中で見るのもいいが、夜の暗闇をすかして青白く浮かんでいる時が一番好きだ。この美しさはみんな、わたしのものなのだ。
     銀の森屋敷には、うつろな人生なんかはありえない。以前、誰かがパットを『浮世離れがしている』とあわれんだことがあった。とんでもない! わたしは世界の真っただ中に・・・・・・・わたしの世界の真っただ中にいるのだ。シュラムの女のように、「わたしは、自分の仲間たちに囲まれて暮らしているのだ。」
      

    #503 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [呼び声1]

           おいで
           夜の窓から
           こどもよ

           はだしのまま
           でておいで

             ははがきづかぬうち
             おまえじしんが めざめぬうち

           うぶぎの裾をぬらし
           谷をぬけ
           断がいに立ちつくし

           どうぶつたちの無数の餓えと
           月あかりの晩餐と
           みたされた血のねむりを
           知るために

             おいで
             でておいで

           それらすべてを あしうらにたたんだら
           わたしの声をわすれ
           すいこんだ匂いをわすれ
           ひらかれた窓から
           おまえの白いシーツのうえに
           おかえりなさい

             ははがきづかぬうち
             おまえじしんが めざめぬうち

           やがて
           ふとしたあやまちのように
           こいびとのゆびが
           おまえのあしうらに触れるとき
           かぞえきれない夜の
           浮遊と
           つまずきが
           わきあがる泉になって
           おまえは笑いやめない
           そのとき
           おまえは知るだろう
           よろこびの声が
           くるしみに似ているわけを

           原野の夜よを
           わたしをわすれたまま

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    • この返信は2 週間前に fiorina fiorina さんが編集しました。
    #505 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [在処(ありか)]

           歌わなければ よかった
           いびつな声を知られることもないし
           どこに潜んでいるか
           気づかれることもない

           歌わなければよかった
           声にしまわれた記憶が
           あなたを責めることもない

           歌わなければ
           歌わなければ

           けれど歌わなければ
           何によって知るのだろう
           かなたの星の

           闇に抱かれた一点で
           だれかが忘れたうたを
           抱きしめた日のことを

           だれもしあわせにしなくていい
                  聴こえなくてさえ

              うたえ

            
           ふいに声を奪うものが ささやくのだ
           生まれることができなかったこどもが
           ははにせがむように
           こばめない痛さで

           生きた という
           おまえの愛すべき思いちがいと
           そこから始まるささやかなものがたりを
           歌え

    #507 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [水辺]

    予感が水面をくすぐる 横たわっているのは川の底 のぞき込む瞳がぬれている でもふゆの次にはるは来なかった 岸辺の草を騒がせただけ こどものけった石が魚のようにはねた 予感がわたしを苦しめる 一層深い川に沈める せなかにはたくさんのうろこがはえた ひとつひとつによるが棲んでいる もうこれ以上切れない爪(つめ)のように 痛さでくっついている 予感が水面を走りぬける だれもまだ生まれていない

    #508 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [忘れた]

         忘れた

         そう書いたら 涙があふれた
         忘れることが
         まだあったと知って

         面影が
         夕ぐれの
         むらさきの雲のように 流れていった

         それでも
         わたしの上に
         確かにある
         まだ忘れるなにか

         忘れない

         そう書いて消した

         放たれれば
         ふり絞った矢のように
         どこかに向かい

         ふいに
         かなたの雲が 血を流すだろう

         わすれた

         死を学ぶように
         くりかえし丹念にいいきかせ

         いつか 還っていく丘の上

    #509 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    ~ ティータイム☕ ~

    実際、ロダンの中には一種模糊とした忍耐がやどっていて、彼をほとんど名のないものにするのである。
    それは一種しずかな 優越した気長である。無から始めて、しずかにまじめに長い道を充溢へと向かって行く、あの自然の偉大な忍耐と善意とを思わす或るものである。
    ロダンもやはり初めから樹を作ろうとするほど思いあがってはいなかった。彼はいわば地の下で、胚子から始めたのである。そしてこの胚子は、小さな芽生えを上に向かって伸ばす前に、下に向かって伸び、一つまた一つと根をおろし、しっかりと土地に結びついてしまったのであった。そのためには時を、さらにまた時を要した。
    「けっしていそいではなりません」、とロダンは、彼の周囲にいたごく少数の友人たちが彼をせき立てるときには言っていた。

                     『ロダン』より-リルケ

    • この返信は2 週間前に fiorina fiorina さんが編集しました。
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    #553 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [ジェラシーもないのに]

    1)
    パーティのはねたロビー
    恋人の話にうなづく
    アイツの横顔
    あたしの友だちはいうの
    きっとあんたの時ほど
    幸せじゃない
    でもあたしの時ほど
    不幸でもないのよ たぶんね

    ジェラシーもしてないのに 何を望んでいるの

    ワイングラス片手に
    歩いてゆくあたし
    ふたり まだ気づかない

    2)
    お久しぶりって言ったの
    振り向いたあのコが
    はっとして うつむいた
    そんな目で見ないで
    何にもしないわ
    煙草は止めたの
    あたしじゃだめだった
    あなたを変えたのね 三月(みつき)で

    ジェラシーもしてないのに 何を望んでいるの

    立ち去ることだけが
    あたしの役割
    わかっているのに

    3)
        {ふたり いつもよりもっと
         確かめあうのね 愛を
         そんな夜をあげるわ}

    ジェラシーもしてないのに 少しきずついてるの

    ほほえみながら グラスの
    赤いさざなみ
    みつめている

    ~~~~~~~~~~

    演歌。

    #554 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [7人の恋人]

    わたしには7人の恋びとがいる
    七つのゆるさぬ顔で
    わたしを責める
    わたしの希望は
    七つに割れて
    もどらなくなっちゃった
    愛 SOS 七つの囁き
    でもそれは ひとつの絶望だったの

    わたしには7人の子どもがいる
    七つのひもじい顔で
    愛をねだる
    わたしのからだは
    七つに割れて
    もどらなくなっちゃった
    愛 SOS 七つの叫び
    でもそれは ひとつの呼び声だったの

    わたしには7人の神さまがいる
    七つのしずかな声で
    わたしをゆるす
    わたしの嘆きは
    一つにとけて
    思い出せなくなっちゃった
    あい SOS 七つの眼差し
    でもそれは ひとつのこころだったの

    #555 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [春]
          

       あなたにあげたものは
       桜の樹のしたに埋まっているわたし
       わたしがほほえむと
       あなたはかなしくなり
       ゆめみるとやせる
       そんな春でした

       うち砕かれない愛なんてないのに
       愛よりもっとこわれやすいもののために
       愛を犠牲にしたのでしょう

       見うしなった笹舟を
       流しつづける未来の少年よ

          ほほえんでいい?
          ゆめみてもいい?

    #556 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

         [カチューシャ]

         赤い港に 父さんの
         のったお船がかえったよ

         母さんには ドレスとワイン
         姉さんには 革の日記帳

         わたしのおみやげ
         パールピンクのカチューシャ

            *

         赤い港を 父さんの
         のったお船が 行ったきり

         母さん 泣いているばかり
         空っぽの ワインのビン

         母さん 泣きながら
         ドレスきて でていった

    #557 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    [夕日の国]


    来る日も来る日も 泥の舟をつくっておりました
    波打ち際に ずっと遠くまで
    舳先を海に向け並べ

    {千の内のひとつが
    本当の舟になるだろう
     そう信じていました}

    その舟で
    波の腕に抱かれ
    いつか あの夕日の国に入っていきたいと思ったのです

    999の舟ができました
    本当の舟はその中にあるのでしょうか
    それとも
    次のひとつがそうなのか


    そのとき 大波が寄せてきて 私を呑み込みました
    999の 泥の舟といっしょに
    あのまま沈んで行けたら

    {千の内のひとつが
    本当の舟になるだろう
     そう信じていました}

    気が付くと
    私は波打ち際に
    頭を 海に向け打ち上げられていました

    次の千のための初めのひとつの
    泥の舟が 私というみじめな姿で
    そこに
    ウウ そこにありました


    流されるな 寄せてきては再び
    呑み込もうとするくせに
    波は
    気まぐれにささやくのです

    #558 返信
    fiorina
    fiorina
    参加者

    ~ ティータイム☕ ~

    そして、また、この時のことがきっかけになって、彼はその
    後、動物の目の色からでも鳥の飛び方からでも、あるいは木
    々のそよぎからでも、学ぶべきものは、ひとり静かに学ぼう
    と努めるようになった。

              『ゲド戦記』 - ル・グウィン著

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