2017-06 選評

カテゴリ: 月間選評

まりも:期日も迫ってきているので、まずは私の評価表から出します。(名前などは略記、敬称略)

* * *

●大賞、優良候補案
桐ヶ谷:最後の花
右肩:故郷~
鈴木海飛:涵養
るるりら:時鳥
Fujisaki:夏至
ユーカラ:渡る
祝儀敷:夢に落ちる
白犬: knife
湯煙:ある詩
なかたつ:きみを思い出すうた
あきら:ラグ
静かな視界:帰化植物
蛾兆ボルカ:純粋ラーメン
村田麻衣子:砂糖菓子と~

●優良or推薦候補案
クァン・アイ・ユウ:宇宙で~
二個優:手のひらの宝石

●推薦候補案
エイクピア:ダヴ
Kaz:カラジウム
桐ヶ谷:曇天に~
塚本一期:ザクロの花嫁
るるりら:シュール
田中ジョヴァンニ:イメージ~
クァン・アイ・ユウ:燃焼を~
徐々にでいいから:ビールみたいに~
Kikunae:砂糖水に~
Yuu:苺月~
田中恭平:野菜スープ
白犬:anthem
湯煙:きみのこと
黒髪:心と空の叫び
なかたつ:大宮公園
北:タビラコとロゼット (6月分が優良?)
霜田明:離反
HAneda:雪が降る
あきら:あおの
夏生:言葉弔い
仲程:花束と~
Stereotype:夜間飛行
口三:足
あさよし:かいじゅうの朝
おさない未来:自然にソッと~
安坂:最高温度~
菜夢:髪を切る
m.tasaki:高熱に~
北村灰色:アルコール何色~
ふじみやこ:情報
蛾兆ボルカ:コロッケそば~
ミナト螢:母へ
完備:names

* * *

まりも:このままだと、数が多すぎるかもしれません。あとでまた議論しましょう。

花緒:では、今回は私も百均の穴を埋めるべく主体的に関わる予定なので、リストを示します(名前などは略記、敬称略)。

* * *

●大賞案
蛾兆ボルカ:純粋ラーメン

●優良案
Migikata:故郷の河・東京・兄の内妻
桐ヶ谷忍:「最後の花」
徐々にでいいから:ビールみたいに運ばれて
祝儀敷:夢に落ちる  ~『東方紺珠伝』Stage3から~
田中恭平:不明
湯煙:ある詩
なかたつ:大宮公園
完備:names

●推薦案
エイクピア:意識
塚本一期:ザクロの花嫁
桐ヶ谷忍:「曇天に舞う」
るるりら:時鳥
るるりら:シュール
クワン・アイ・ユウ:宇宙で死にたい
二個優:手のひらの宝石
田中恭平:野菜スープ
村田麻衣子:砂糖菓子とブレスレット
ふじみやこ:男らしさ
北村灰色:抽象的な境界の切断
おさない未来:自然にソッとくちづけよう
夏生:梅雨
あきら:ラグ
HAneda kyou:夕日の国

* * *

花緒:これが、私のリストにある作品です。どうやって調整していきましょうかね。
特に推薦作のところは、ビーレビとしてどういうものを推したいのか、ということを意識しつつ、削っていく必要があるかもしれません。数が多すぎるので。

まりも:天才詩人さんのリストを待って、三者が重なるものから残しましょうか。
ちなみに、現代詩人会のネット投稿欄では、その方式で大賞に当たる新人賞を決め、あとは審査員一人一人のイチオシに、それぞれの審査員から賞を出す、という方式だったとか。あくまでも、ご参考までに、ということで紹介しました。その方式でやりましょう、という提案ではないです。

まりも:花緒さん、ふじみやこさんの「男らしさ」をあげていますが、ジェンダーの問題から、ちょっと抵抗があります・・・男性から見た場合、それほどでもない、ということでしょうか?

花緒:そうですね。あまりジェンダー問題を織り込んで、私は読んでいないかもしれません。もっとも、作者名が男だったら印象は違ったかもしれず、テキストとしての強度が明確に強いとはまでは思いません。分かりやすく、纏まりのいい佳作だとは思いましたが、その意味では、ストロングポジションはありません。

花緒:まりもさんの優良案だと、鈴木海飛、白犬作品が入っていますが、私にはよくわからない部分があります。

まりも:白犬さんの作品は、言葉の力強さや勢い、流れ・・・海飛さんの作品は、レスの方で書いていますが、摘み取られた一輪の花に憑依するような語り口に魅力を感じたんですよね・・・もっとも、海飛さんの擬音の使い方とか、モチーフの扱いには、砂糖菓子的な甘さがあるとは思います。ファンタジー的な甘さ。その、いわば装飾部分が気になるのかな、と思いつつ・・・花緒さんの、よく分からない、という、わからなさの内容を知りたいですね(笑)

花緒:海飛さん作品は、単純に、私には読めない作品だったので、わからない、と申しました。

まりも:海飛さんの、摘み取られた花が、故郷の草原を思いながら・・・という、きゅうっとツボを圧されるみたいな所に牽かれる、という感じですね(笑) それをストレートに書かずに、あえてもって回った書き方をする。その技巧性にも牽かれます。擬音の多用や、話しかけるようなタッチの軽さ、装飾的な形容などは、少女漫画的な洗練を感じさせる、というところですね

まりも:白犬さんのナイフはどうですか?単語の区切り方やリフレイン・・・

花緒:白犬さんは、正直、似たような作品を、ラフな手つきで、量産しておられるような印象を受けています。しかし、ナイフに関しては、確かに、完成度は他の作品より高いですね。優良なのか、という疑問があって、分からない、と申しましたが。

まりも:花緒さんは、読みやすさが増しているとコメントしていますね。

花緒:確かに、ナイフはうまくまとまっていますね。

まりも:まずは、数をどのように絞るか、ということなのですが。二作とも入っている人は、一作に絞るか・・・他作品との比較を経た上で、二作とも残すか・・・作品レベルを考えるなら、良作なら二作とも残す。多数の作者が機会を得る、ということを重視するなら、一人一作に絞る・・・花緒さんや百均さんは、このあたり、どうお考えでしょう?

花緒:そうですね。ちょっとまりもさんも含め、他の方の意見も聞きたいですが、毛色違う2作、でなければ、そして、キュレーション推薦作相当であれば、1人1作に絞ってもいいのではと。
優良作は、作品主体で、ガチで選ぶべきだと思うのです。
推薦作は、ビーレビからの応援メッセージ的色彩も強いと思うので、ずっと入っていない人がいれば入れるとか、努力賞の色彩があってもいいですし、一人一作もそうですが、多少の配慮があっていいのではと。
真に優れた作品であれば、優良作相当であれば、一人2作でもいい気がします。
あくまでこれは提案なんで、強くは主張しません。はい。なお、大賞作は、これもビーレビとしてどうありたいか、という議論が絡み得るとは思います。

まりも:一人一作に絞るかどうか、皆さんの意見を聞いて決めたいです。

天才詩人:お二方ありがとうございます。今月の大賞として右肩さんを推そうと思います。

まりも:今回の右肩さんの「故郷~」非常に良かったですね。もう一作の「みかん売り」は、今回、あえて実験をしたのか・・・音韻の効果を狙っているのかもしれませんが、あまりよい効果が出なかったように思います。
ボルカさんの作品も良かったと思いますが、レスで書いたように、前半部分が緩すぎる印象を持っています。優良作であることには間違いありません。

天才詩人:そうですね。もうちょっと読み込んでみます。今回はわたしがマスタープランを提示するよりも、まりもさんと花緒さんの案をベースにして、最終案をまとめるのがよさそうですね。

まりも:時に応じて、という形でやっていけたら、と思います。今月は期日が気になって、先走ってしまいました。

天才詩人:いえいえ。変化があったほうが投稿者の信頼も増すような気がします。

天才詩人:花緒さんの提案(優良作は作品主体で、ガチで選ぶ。一人2作もあり。推薦作はビーレビからの応援という意味合いが多少入ってもいい)に賛成します。

まりも:それでは、その方針で行きましょうか。

天才詩人:二個優さんの作品、魅力はあるものの優良には一歩届かないような気がします。

まりも:甘すぎる、ということでしょうか・・・感情の甘美さを歌うのに、言葉や振る舞いまで甘美に流れると、陶酔の方向に行ってしまう懸念がありますね・・・二個優さんは、その手前でバランスをとっておられますが・・・

天才詩人:おさない未来さんはぜひ優良に推したいです。
なかたつさん、「大宮公園」悪くはないけど、どちらをとるかと言えばもう一作ですかね。
まりも&花緒セレクションを、あとでまとめてみます。

* * *

天才詩人:選考結果、まりもさんのセレクションにおおむね同意です。花緒さんの意見を加味しつつ、あとは微調整でいいんじゃないかなあ、という感じですね。藤崎さん、今回は優良に推すのにはやや弱い。湯煙さん、「ある詩」、百均さんもコメントされていますが秀作、優良で同意。羽田京さん、「夕日の国」スケールの壮大さを見事に視覚化している。インパクトのある作品でした。

花緒:あと、そうですね、大賞作ですが、ま、議論の証跡を残した方がいいと思うので、なぜ、右肩さん作なのか、お伺いしたい気がします。レベルの高い作品だとは思いますが、読む愉楽に難がある。多分、初見の読者は最初の1−2行読んで、読まないのではないでしょうか。大賞作は、ビーレビューの顔だし、これから展示したり、不特定多数に訴えかけていくことを考えれば、衒学的で、腕前自慢的な色彩のある作品はあんまり大賞に相応しくないのでは、という気がします。その意味で、ボルカ作品の方がよくないですか?とわたしは思います。平易な言葉で、なんだこれ?という虚構性を構築し、ポエジーを感じさせる作だと思うのです。無論、強く主張する趣旨ではなく、議論を促進させるためのものとお受け取りください。

天才詩人:今月は投稿作品数が減少したものの、全体の質はかなり上がっている。選考が難しくなっている気がします。右肩氏推薦ですが、彼は一回大賞候補に挙げられ逃していますね。たしか田中さんの「薄明」がノミネートされた月だったと思いますが。あの月の右肩作品は完璧だった。そうした事情をも多少加味したいと思います。無論作品本体が文句つけようのない出来であることは言うまでもない。

まりも:右肩さんの「故郷」も、ボルカさんの「ラーメン」も、いずれも優良で異論なしですが・・・右肩作品、大衆性ということを勘案すると、たしかに難しい作品ではありますね。この前の「橋」も良かったのですが、こちらも多義的で、どちらかといえば難解な作風かもしれません。

天才詩人:大賞になっていないといえば優良常連の桐ケ谷さんなどもそうですね。右肩作品が衒学的との指摘ですが、これまでの大賞作品を見ると、りさん「シャンゼリゼ」とかFujisakiさん「イチゴシロップ」とか平易に読める作品がならんでいます。比較的難解な作品も、バランスをとるという意味で推していきたいと思います

天才詩人:静かな視界さんの「帰化植物」、まりもさんは優良に推されていますが、わたし的には次点が適当かなと思います。朴訥さと文体のエレガントさ、どちらも中途半端で突出している感じがしないです。

まりも:「帰化植物」、叙述的散文の部分と、詩的散文の部分の混合のように思うのですが、叙述部分が丁寧すぎるというのか・・・そこにも詩的感興が動いているはずなのですが、その心象の動きを、もっと出しても良かったように思います。抑制しすぎた、といえば良いでしょうか?

天才詩人:田中恭平「不明」、ひたすら長い。そんな印象。花緒さんは推薦されているが俺は入っていけなかった。「野菜スープ」の方がよくまとまっていると思いますが、これも優良にはちょっと弱い感じがします。

まりも:「不明」、コメントにも書いたのですが、少しずつ重ねながら先に進めていく緩慢さと、気持ちがどうしても先にいかない緩慢さとがうまく合致している、と感じる反面、もっと言葉を絞っても、その緩慢な心模様は出せるような気がしますし・・・さらに言うなら、焦点は切なさ、にあるのではないか?そこに向かって盛り上がっていくようなメリハリのある構成であれば、より読者を惹き付ける作品になったと思います。
「野菜スープ」。鍋でもなく、味噌汁でもなく。海外文学ではしばしば父と子の葛藤や和解がテーマとなりますが、背景に父なる神と人間との関係が、遠く響いているように思います。 野菜スープ、という、どこか洋風の香りと、父と子の微妙な距離感、テーマとしてすごく魅力的だと思いました。 惜しむらくは・・・やはり、叙述の長さですよね・・・。より凝縮されていれば、間違いなく優良かと。

天才詩人:これまでの議論を踏まえて、リストアップしてみました。

* * *

●優良作品
Migikata:故郷の河・東京・兄の内妻
桐ヶ谷忍:「最後の花」
るるりら:時鳥
おさない未来:自然にソッとくちづけよう
fujisaki fujisaki:夏至
湯煙:ある詩
なかたつ:きみを思い出すうた
蛾兆ボルカ:純粋ラーメン
完備:names 
村田麻衣子:砂糖菓子とブレスレット
祝儀敷:夢に落ちる  ~『東方紺珠伝』Stage3から~
ユーカラ:『渡る』

●キュレーション推薦作品
エイクピア:ダヴ
静かな視界:帰化植物
鈴木 海飛:涵養
桐ヶ谷忍:「曇天に舞う」
塚本一期:ザクロの花嫁
田中恭平:野菜スープ
Migikata:み・か・ん・賣・り・の・言
るるりら:シュール
田中ジョヴァンニ:イメージ・ザ・プラネット
徐々にでいいから:ビールみたいに運ばれて
クヮン・アイ・ユウ:燃焼を終えたロケットにではなく、
二個優:手のひらの宝石
湯煙:きみのこと
北:タビラコとロゼット
霜田明:離反
HAneda kyou:夕日の国
あきら:ラグ
仲程:花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように
口三:足
北村灰色:アルコール何色 愛せよ、何を?

* * *

天才詩人:リスト作ってみました。突っ込みをお待ちしています。藤崎さん、やはり次点でしょうか。

まりも:るるりらさんの「時鳥」は、飛躍が大きすぎて曖昧性が強すぎる印象があるのですが、その点についてはどうでしょうか?完備さんの「names」も、同様の理由で、優良には届かない気がします。
海飛さんの「涵養」、とても良かったと個人的に思うのですが、優良でどうでしょうか?
おさない未来 さんの作品は、ボーダーです。読み直しておきます。

花緒:基本的には、大賞作、私はちょっと後退します。「純粋ラーメン」、初めて読んだ時、すげえ!大賞確定やん!と思ったのですが、他のお二方がそこまでは思わなかったというところで、私との相性が良すぎただけかなという気がして、何度も読み返しました。純粋ラーメン=ポエジーの寓意、として読んでしまうと、単純な構造の作品でもあるので、そうはっきり当てはめて読まれちゃうと、大賞作とまで言えるレベルの鮮烈さが多くの人に共有されないのかなという気がしてきました。
ところで、まりもさんは、大賞作にはどれを推しますか。

まりも:今回のセレクションでは、右肩さんの「故郷」ですね。クリエイティブライティング、とは、なにか・・・という問題提起作であることは間違いないと思います。

天才詩人:もちろんボルカさんも良いんですが、たとえば右肩さんのと比べろと言われても方向性が違うので比べるすべがない。すでに述べた理由で右肩さんを推すのはビーレビの方向性を考慮する、という意味もあるわけです。

まりも :面白いぞ現代詩 で回ってくるツイートで、小池昌代さんの作品などは、かなり小説に近いですよね、そういえば

天才詩人:で、ボルカさんは先月からの登場ですし「新人賞」を作ってノミネートしたらどうでしょうか?。「ラーメン」新人賞ということで

まりも:右肩さん作品、クリエイティブライティングとは?という問に真っ正面から向き合っている作品であることは間違いないでしょう 。
ボルカさんの作品も面白かったけれど、いきなり新人賞を作ったら、ボルカさんのために作ったみたいで、ひいきの引き倒しになりませんか(笑) 前半のユルさが、「純粋ラーメン」を推しきれない理由です。レスでも書き込んでいますが・・・

天才詩人:あえて難を言うなら、最後の「なんだか今日は、/いい一日だったな、って/思った」 に工夫が欲しかったかなと。ここまで完璧なコンセプトや言葉の操作をしてきたのに、この終わり方がちょっと残念。

まりも:そこですか(笑) 前半は気にならない?

天才詩人:前半は良いと思いますけどね。「純粋である」というのは抽象的な問題だけれども、それをバスの車内とか具体的空間をベースに描いている。うまいと思いますね。

まりも:確かに、終わりが、急に作文のような素朴な感じに収まっていますね。意図的な日常への帰還(きざっぽい言い方ですが)

天才詩人:

朝御飯はちゃんと食べてきたから、
そのラーメンは美味しそうじゃなかったし

バスの中は暖かかったから
別に温かそうじゃなかったし

回りは何の臭いもしなかったし
他のお客さんの話し声も
意味はわからなくて

蛾兆ボルカ「純粋ラーメン」3連~5連

このくだりで、「純粋であること」の意味を、具体的に説明できてますよね。匂いも温度もなく、食欲をそそるわけでもない「ラーメン」という。

まりも:ちゃんと、とか、美味しそうじゃない、という、日常口語の使い方に、ユルさを感じたのかもしれない。始まりと終わりが、日常から始まって、また日常に帰還する。

天才詩人: 文体で勝負する作品ではないですね、

まりも:その中間に、ぽかっと空いた空間に、純粋ラーメンを見る

花緒:今回は、読みやすい良作のボルカ氏か、散文詩を拡張する右肩作品か、ということですね。同一の地平で比べられるものではないので、どちらが大賞でも良いとは思います。私の好みは純粋ラーメンですが、ストロングポジションはとりません。

天才詩人:通勤時間ってそういうとこありますよね。GET LOSTというか。やることがなくて自分の思惟にはまりこんでいく。

まりも:詩想を求めて、地上から離陸して、また帰還する、というような、詩的次元への飛躍・・・それも、極めて日常的なラーメンを主題にして。

花緒:という読み方が明確にできてしまうなら、あるいは、それ以外の読みがないところが、弱いとも言えるということなのでしょうか。うむ。

天才詩人:右肩さんの「故郷」は会心の作だと思います。今回、大賞で良いと思いますね。

花緒:前回大賞の「シャンゼリゼ」は、なんとでも読める奥行きがあった気がするのですが、「純粋ラーメン」は、その意味では、存外、多義的に読めないということでしょうか。

まりも:謎が重層的に重ねられて、多義的に読めるのは、断然、右肩作ですよ。ただ、一般読者向けではないかもしれない

花緒:どう会心の作なのか、どこかで語ってみて欲しいです。優良作以上は同意します

天才詩人:了解しました。がっつり選評も書きますよ。なんせ描写の強度がはんぱない。作家の身体を固有の社会性や場所という、原初的な平面にシンクロさせてくる。詩というよりも、書く行為以前にまず作家の身体が「そこ」にあるんだと。白島さんの作品へのコメントでも触れましたが、痛烈な場所性への自覚と言うか

天才詩人:個人的にるるりらさんの「時鳥」。この作品の説明しがたい感じ。こういうのは相当のセンスと技量のある人にのみ書けるんじゃないかなと。これも大賞候補に推したいです。私としては。

天才詩人:おさない未来さんは優良に推薦。完備さんのはボーダーですかね
おさない未来さんは、内容をあれこれ言う前に繊細な手つきの文章が良い。大賞には推しませんが、優良を考えていただきたいです。

まりも:「時鳥」、複数回、(コメント欄で)改訂版がアップされていて、その事も、次点判断の理由でした。日常の時の経過の中で、詩が生まれる瞬間を柔らかくとらえようとしている。飛躍が大きいので、読者を選ぶと思いますが、内容は優良だと思います。ただ、大賞として外部に紹介する場合、改訂版を上げるとすると、公平性の面で迷いがあります。おさないさん、言葉が感傷的過ぎるかなという印象があったのですが、冒頭から鮮烈な詩想を展開してくれる。読み直して、優良に納得しました。

天才詩人:エイクピアさんの今月の作品良いですねー。個人的には優良を考えなくもない。意味不明な感じは相変わらずですがパンチ力が倍増している感じがします。

まりも:優良・・・後半というか、終盤があまりにも、ちからわざ、というか・・・飛ばしすぎの感がありますが、どうでしょう?

天才詩人:花緒さん、田中恭平さん「不明」を推しておられますが、まりもさんもわたしも「野菜スープ」を採る方向です。また、花緒セレクションでは完備さんと徐々にさんも優良に入っていますね。わたしとしてはかなり迷う。両方ともにボーダーラインだという印象です。

天才詩人: 鈴木海飛さん、優良昇格案について、もう一検討しましょう。

まりも:海飛作品、いいと思うんですけれどねぇ・・・対象物の内部に入り込んで、そこから世界というか、周囲を見る視点に牽かれます。

天才詩人:海飛さん、たしかに、語句を一句一句這うように読んでいくと、相当の美文ですね。個人的に造形/構築することばが好みなんですが、この作品はまったくそうとは言えない。べつの発話の方法論というか、良さがあるというのはわかりました。

議論を踏まえて、リストに少し手を加えました(敬称略)。

* * *

B-REVIEW
●優良作品
Migikata:故郷の河・東京・兄の内妻
桐ヶ谷忍:「最後の花」
るるりら:時鳥
おさない未来:自然にソッとくちづけよう
湯煙:ある詩
なかたつ:きみを思い出すうた
蛾兆ボルカ:純粋ラーメン
完備:names
村田麻衣子:砂糖菓子とブレスレット
祝儀敷:夢に落ちる  ~『東方紺珠伝』Stage3から~
ユーカラ:『渡る』
鈴木 海飛:涵養

●キュレーション推薦作品
fujisaki fujisaki;夏至
エイクピア:ダヴ
静かな視界:帰化植物
桐ヶ谷忍:「曇天に舞う」
塚本一期:ザクロの花嫁
田中恭平:野菜スープ
Migikata:み・か・ん・賣・り・の・言
るるりら:シュール
田中ジョヴァンニ:イメージ・ザ・プラネット
徐々にでいいから:ビールみたいに運ばれて
クヮン・アイ・ユウ:燃焼を終えたロケットにではなく、
二個優:手のひらの宝石
湯煙:きみのこと
北:タビラコとロゼット
霜田明:離反
HAneda kyou:夕日の国
あきら:ラグ
仲程:花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように
口三:足
北村灰色:アルコール何色 愛せよ、何を?

* * *

花緒:「夕日の国」、ボーダーラインだと思います。私的には、徐々にでいいからさんの作品もボーダーラインで、優良に近い気がしますが、一任します。
ユーカラ作品、優良でしょうか。私にはストレートフォーワードすぎるし、寓意も凡庸では、と思ってしまいます。「鍵のない箱」にも似たような印象を持っていたので、多分、私には、相性がよくないのでしょうね。相性の悪い読み手がグダグダ言ってもしょうがないので、意見は言いますが、判断は一任します。白犬作品、キュレーション推薦作には入れて良いのでは?まりもさんも推しておられますし、まとまりの良い作品ですし。北さんの作品、今月入れますか?改稿されたものが翌月分として投稿されているので、今月でない方がいいような。

まりも:ユーカラさんの作品は、朗読で聞いてわかるタイプの、詩劇的な印象がありますね。黙読するタイプの作品は、多義的な重層性がある方が、奥行きが出ますね 。

まりも:ユーカラさんの「渡る」、詩劇のようだ、と誰かがコメントしていた・・・と思ったら花緒さんでした(笑) 見えない世界を見ることが(見せることが)出来る、それも詩の魅力のひとつだと思いますし・・・百均さんの推しがすごいですね(笑) 優良でよい気がします。

花緒:確かに音感がいい作品ですよね。直裁すぎる構造が気になるので、私は積極的には推しませんが。

まりも:徐々にでいいから さん、日常の光景を、そのなかに巻き込まれている自分と、そこから離れて見ている自分に分離して重層化している。優良に推したい気もします。

花緒:優良を増やしすぎたくない気はしますね。あえて、徐々にでいいから、さんか、ハネダさん、どちらかという線で議論してみるのはどうでしょう。

まりも: 徐々にでいいから さんは、日常をいきる主体と、詩作している主体と、意識的に扱っている 。
ライトヴァース的な可読性と、そこに人生とは?生きるとは?という、思索を、比喩によって重ねていく、そんな 日常の異化を行おうとしている(そんな大袈裟なことをしているわけではないでしょうけれど、言い方が大袈裟になりました)
ハネダさんの「夕日の国」、具体的な目の前の命を歌う、普段のスタイルから、叙景にシフトを切ったハネダさんの実験作、ですね。比喩の用い方に、もう少し新鮮な驚きがほしい、というか・・・写生の側面を強く見ていたので、主題が変化したことには注目しましたが、特に新しさは感じなかったんですね。徐々にさんの方が、発想はユニークですね。

花緒:私はそう思っています。徐々にさんは、そうですね、可読性の高さというのもそうなんですが、ユーモアがあるように思います。現代的な文体になっていると思います。ハネダさんの方は、なんというか、古い文体というか、50年前に書かれたものです、と言われても気づかないようなところがあって、今書かれることの必然性が十分でないような印象を持ちました。

天才詩人:羽田さんの「夕日の国」。なぜかすごく気になる。優良としたいですね。たしかまりもさんはもう一作の方を評価されていましたね。

まりも:「雪が降る」を推したのは、短文を重ねながらリズムを作っていく、その重ねの中で、イメージを豊かに変容させていく、その手法というかスタイルが、かなり確立されている、と感じたのですね。
「夕日の国」は、人類の行く末まで、大きな視点を背景が背景に仄見える。手法の新しさや、作者の独自性がよく出ているかどうか、という側面よりも、そうした作者の思想(世界観)を、評価点にする、という考え方も重要だと思っていて、その観点から推すのであれば・・・ちょっと時間をください、もう一度読み直します。

まりも:ハネダさんの作品、先にも言いましたが、修辞的な工夫を試みてほしいという、想いもあるのですが・・・いつものスタイルから1歩踏み出して、日本の衰退の予感を重ねている、叙景によって壮大な空間を読者に見せてくれる、そこを評価するのであれば、優良に異論ありません。
徐々にでいいから、さんの「ビールみたいに運ばれて」はどうでしょう。アイディアの面白さを評価したいのですが、ライトヴァース的な文体の軽さが、気になるところではあります。まだまだ伸びる作者、という気もするのですが・・・より奥行きの深まった作品を、さらに期待して、激励しつつも、いや、それゆえに、今回は推薦作、という判断も可能だと思います。

花緒:難しい判断ですね。私は作品としての好みは、ビールみたいに運ばれて、の方が好きなのですが、ライトなユーモアというのは、それはそれでありふれているものでもあるので、あえて物々しい書き方で作品をまとめるというチャレンジをされた夕日の国、推しでもいいのかもしれません。本来、同一の地平で比べるべきでないものを、比べてどうこういうのは難しいですが、あえて斯様な議論をしてみることも悪くはないでしょう。選評を公開して、批判を仰ぐという形にしませんか。

天才詩人:大賞は右肩氏で良いですか?これまでの流れを踏まえると、

* * *

●大賞
Migikata:故郷の河・東京・兄の内妻

●優良作品
HAneda kyou:夕日の国
桐ヶ谷忍:「最後の花」
るるりら:時鳥
おさない未来:自然にソッとくちづけよう
湯煙:ある詩
なかたつ:きみを思い出すうた
蛾兆ボルカ:純粋ラーメン
村田麻衣子:砂糖菓子とブレスレット
祝儀敷:夢に落ちる  ~『東方紺珠伝』Stage3から~
ユーカラ:『渡る』
鈴木 海飛:涵養

●キュレーション推薦作品
fujisaki fujisaki:夏至
エイクピア:ダヴ
静かな視界:帰化植物
桐ヶ谷忍:「曇天に舞う」
塚本一期:ザクロの花嫁
田中恭平:野菜スープ
るるりら:シュール
田中ジョヴァンニ:イメージ・ザ・プラネット
徐々にでいいから:ビールみたいに運ばれて
クヮン・アイ・ユウ:燃焼を終えたロケットにではなく、
二個優:手のひらの宝石
湯煙:きみのこと
白犬:knife
霜田明:離反
あきら:ラグ
仲程:花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように
口三:足
北村灰色:アルコール何色 愛せよ、何を?
完備:names

* * *

異議がなければ日本が夜のうちに発表します。

花緒:右肩作品、同意しましょう。
ビーレビとして、拡張的散文詩作品を推したいということで納得します。

天才詩人:了解。百均さんからのレスを待ちましょう。

百均:僕も異議なしです。皆さん選評お疲れ様でした。

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