2017-05 選評

カテゴリ: 月間選評

天才詩人:5月作品、とりあえず41作まで絞り込みました。あと、9日あるので、たっぷり議論していきましょう!まず、私から…優良に入れられそうな作品を拾ってみました。後ろに〇を付けてあります。

桐ヶ谷忍…「花曇り」 〇
田中恭平…希望灯
奏熊ととと…ブラックコーヒー
朝顔…恩讐 〇
祝儀敷…かぐやの涙 〇
北…蒼ざめし
北…琵琶湖疎水扁額史會
双葉月ありあ…午前10時のあおいそら
タムラアスカ…Saveと私
夏生…地面を舐めた
およそ紺にて…把握していない真相な新装の 〇
あきら…かなしみ
5 or 6…スーパー踊り子豚野郎 〇
なかたつ…うぉんと えんげいじ
湯煙…the bird
浅井康浩…no title
poppocider…さくらちゃん
こころん…death 〇
田中恭平…水を過分に含んだように重そうに
桐ヶ谷忍…「檻の中の同性愛」エッセイ 〇
湯煙…塵
がんじゃまんたけし…suicide samurai wann
あきら…おごっつぉ
塚本一期…外灯 〇
田中ジョヴァンニ…歓喜の歌
Migikata…さざんくろす
ひいらぎ…Swan Song
祝儀敷…オホーツクの岬 〇
鳩村…かみさま 〇
子猫沢るび…愛くるしさの檻の中で
白島真…火の鳥
弓巠…食事
り…新宿のシャンゼリゼで 〇
tatsuhiko KAWABE…距離
tatsuhiko KAWABE…落ちていく
fiorina …イヴ・サンローランのフランス 〇
fiorina …アタの涙 〇
エイクピア…屁の軽減
葛西佑也…せいけつなくらしと、
およそ紺にて…この街では星が見えない
仲程…さんらー は

天才詩人:これを昇格、選外等、いろいろと要望があると思うので議論していきましょう。個人的に田中ジョヴァンニ作品は、今回は粗さが目立つような気がします。田中恭平さん先月と比べると今月はキレがないですね。

花緒:ありがとうございます。作品ごとにリプライする形で議論しませんか?とりあえず実験的に、作品ごとに、コメントを入れてみました。優良作に関して、わたしが言いたいことは基本的には以上です。

花緒:「花曇り」―桐ヶ谷忍
大賞でもいいくらいの良作かと。読みやすいしパンチある。問答無用で優良作かと。

まりも:完成度の高い良作だと思います。

花緒:かみさま―鳩村http://breview.main.jp/keijiban/?id=329
これは議論するために、あえて言いますが、このヘタウマひらがな文体はイージーだと思うのです。誰でも書ける気がするのですね。これで優良なのか?という目線も有りうるとは思うのです。パンチのある作品ですが、作中話者はさすがに、ひらがなしか書けない知能という設定ではないでしょう?パンチがあり、まとまった作品であり、クリエティブライティング路線の作品としては、評価したい気もしますが。優良か?という疑問を、あえて投げます。

まりも:言葉の重ねが意図的なものだとしても、やはり余剰が多いというか、もっと絞った方が凝縮される、という印象が残りますね。推薦作でいいように思います。

花緒:「檻の中の同性愛」エッセイ―桐ヶ谷忍
鳩村氏、かみさま、と同じ理由で、優良か?という疑問を感じます。まとまりが良い佳作だと思いますが、このヘタウマ文体が真に必要なのかどうか。。クリエイティブライティング路線で良作だったら、ガシガシ採用するという方針ならば、わたしは嬉しいのですけれども。当落線上にある印象。議論を促進するためにあえて。

まりも:優良作品は、1作者1作に絞るべきでは、という思いもあり・・・二作を比較した上で、こちらは、推薦作でもいいように思います。

花緒:さくらちゃん―poppocider
これはどうでしょう?良作だと思いますが。面白いし、読みやすいし。技術力をどう評価するか。

まりも:これもひらがな多用ですね。わらべ歌風の韻律が印象に残りますが、韻律に流れていて、伝えたいことのインパクトが弱い。推薦作でもいいのでは?

天才詩人:さくらちゃん、第一連目で「さくら」が連発されていて、つくりが粗いような感じがする。レッサーがくちぐちに言っている「ホラー」感もいまひとつクリアに伝わってこない。構成も要再考だと思います。わたしも次点とみなします。

花緒:愛くるしさの檻の中で~―子猫沢るび
これは優良レベルだと思うのですが、どうでしょう。技術力もあるし、読みやすいですし。

まりも:作品の全体の流れも、テーマも、優良作品だと思います。

天才詩人:るびさんの作品は、独特のリズム感があってスバラシイ。わたしとしても優良か次点かは迷うところでした。

花緒:fiorinaさんの2作、
イヴ・サンローランのフランス
アタの涙
この2作は、なんというか、鳩村氏、かみさま、と逆の理由で、優良か?という疑問も覚えますね。達筆であるということ以上の作品価値が真にあるのかどうか。達筆でエッセイ書いたら、優良になるのか?という疑問を感じると言うべきか。議論のためにあえて、ツッコミを入れてみます。個人的にはクリエイティブライティング路線はガシガシ採用してもらえると嬉しいのですが、あえて。

まりも:コメントにも書いたのですが、イヴ・サンローランのフランスの方は、詩情を感じた心境を、作品に昇華する前に、そのままメモのように記している印象を受けます。アタの涙は、激しい情動を抑制して書き留めつつ、思索を促す良作だと思いますが、作者自身も取り下げようか迷っているように、受け止め手に誤解される部分も含んでいますね。

花緒:さざんくろす―Migikata
これは優良でいい気がするのですけれど。読みやすいし、勢いがありますね。

まりも:性愛の夢想の、その先に行ってほしいと思いながら、具体的表現の方に引き戻され過ぎている印象もあり・・・詩ではあまり使われない、ナマな言葉の物質性とそのインパクトが、うまく機能しているかどうか、疑問が残ります。次点でもいいように思います。

天才詩人: 「さざんくろす」は優良で良いのではないですか?ラブポエム(というかベッドシーン)を宇宙空間まで押し広げている。

まりも:読みやすいかどうか、ということよりも、奥行きがあるかどうか、というところで選びたい、とは思いますが・・・言葉がナマすぎるのが、気になります。

まりも:北さんの「蒼ざめし」
幻想性の強いユニークな伝奇譚の趣で、優良クラスだと思うのですが、どうでしょう。コメントに見解は書き込んであります。

百均:仲程さん「さんらー は」
この前、ニートが久しぶりに外に出てチャリンコこいで土手のベンチで寝てたみたいなまとめ記事読んでなんとなく気持ち分かる感じがした。平仮名も意味ああるし、読みやすい行分けで、ぴりっとしてる作品。悪くない

天才詩人:もう一方の作品と比較して、これは悪くない。ポテトチップスとかコーラの挿入に意外性があって良い。ここまでの議論を踏まえて、暫定的なリストですが。

優良候補

「花曇り」―桐ヶ谷忍/恩讐―朝顔/かぐやの涙―祝儀敷/蒼ざめし―北/把握していない真相な新装のーおよそ紺にて/no title―浅井康浩/death―こころん/「檻の中の同性愛」エッセイ―桐ヶ谷忍/オホーツクの岬―祝儀敷/かみさま―鳩村/愛くるしさの檻の中で~―子猫沢るび/イヴ・サンローランのフランス―fiorina/アタの涙―fiorina/新宿のシャンゼリゼでベトナムごっこをしたいだけ―り/スーパー踊り子豚野郎―5 or 6/外灯―塚本一期/さざんくろす―Migikata

キュレーション推薦作

ブラックコーヒー―奏熊ととと/琵琶湖疎水扁額史會―北/午前10時のあおいそら―双葉月ありあ/Saveと私―タムラアスカ/地面を舐めた―夏生/かなしみ―あきら/うぉんと えんげいじ―なかたつ/the bird―湯煙/さくらちゃん―poppocider/水を過分に含んだように重そうに―田中恭平/塵―湯煙/がんじゃまんたけし―suicide samurai wann/おごっつぉ―あきら/歓喜の歌―田中ジョヴァンニ/Swan Song―ひいらぎ/火の鳥―白島真/食事―弓巠/距離―tatsuhikoKAWABE/落ちていく―tatsuhikoKAWABE/屁の軽減―エイクピア/せいけつなくらしと、―葛西佑也/この街では星が見えない―およそ紺にて/さんらー は― 仲程

花緒:こころん氏作の評価が高いんですね。わたしだったら、佳作で止めた気がします。

まりも:こころん さん、言葉の流れが(祝儀さんも書いてるけど)最果タヒ風という印象があるけど、最果さんより体感に即している。もちろん、最果さんのように予想外なのに図星というような鋭さには至っていないですが(笑)
それから、優良には一人1作品として、より良い方をとり、一方は推薦作としませんか?

花緒:今回の天才詩人優良作案、半分くらい詩じゃないですよね。クリエイティブライティング路線というか。そのあたり、もうちょっと詰めてもいいような気がします。

まりも:ひとつの空間に収まる言葉による造形・・・でしたか、天才詩人さんの定義は。 読み物として、可読性の高いものがライトバースとして、軽んじられる傾向があるけど、暗喩で時代を表象する方向への深化は読者を限定していく。アートのように、まずは初見でおよその外形が掴める、ということ、読みやすさやイメージの鮮烈さ、音の響きの面白さといった、外形的な部分に、より注目する、という評価ラインを、クリエイティブ・ライティングとして打ち出せばいい。そうすれば、ネット詩の、内輪向け的な印象を払拭できる 。

天才詩人:現代詩投稿サイトとしてはとりあえず順調な滑り出しを果たしたので、次の目標をどこに置くのか、じっくりブレストしてみてもよいと思います。うまく要約していただきありがとうございます。

まりも:コンセプチュアルアートのように社会性を問うような、多少解説を必要とする哲学的なものも包摂できるでしょうし・・・詩情や思想を含んだエッセイのような(フィオリーナ作品のような)ものとか。

天才詩人:現代アートで言うと、視覚とかサウンドを使ってオーディエンスを楽しませることの出来るものが一方で評価され、もうひとつはコンセプトとしてクリティカルと言えるかどうか。

まりも: 暗喩ゴロゴロの、いかにも現代詩でござい、芸術的でしょ、かっこいいでしょ、というのに食傷している、というのがありますね。(読んでもさっぱりわかんないよ、内輪で面白がってるんじゃないよ、とツッコミを入れたくなるような) 。
シュルレアリスム宣言みたいに、クリエイティブライティングの場を創設する、と宣言してしまうとか。ネットという空間を用いた可能性含めて。

天才詩人:クリエイティブライティング宣言・・・笑

まりも:私のリストと照合すると・・・HAneda kyouさんの「餌を押す」 これも入れてほしいです。

天才詩人:うーん、巧いといえば巧いですね。「餌を押す」というのがどういうことなのか、うまく頭にはいってこないです。畜産関係ではふつうの表現なのでしょうか。

まりも: 牛が柵に首を突っ込んで、散らかしながら食べるのを、レーキで集めて押しやる、そんな作業の様子だと思います。暗喩ではなく、そのまんま。言葉を刻んでいくリズムに、独特の節回しがある。体言止めや、写生的に行為を重ねていく、その動詞を繰り返すリフレインも印象に残ります。

天才詩人:なるほど。小品だし、次点に入れてもいいですが、優良にはじゃっかん届いていないような気がします。

天才詩人:琵琶湖疎水扁額史會―北
いろいろ書き込まれていますが、まりもさんの言うように、読みにくいですね。もっと改行スペースを入れたりすれば印象が変わってくるかも知れないのですが、わたしは落選と次点のあいだですね。

天才詩人:歓喜の歌―田中ジョヴァンニ
これは難しいなあ。そもそも何を敵視しているのか、描写が雑でよくわからない。冒頭の「馬鹿な歌手が歌う。戦争を知らない子供たち。悲惨さを知らない若い世代。痛みを知らないゆとり共。テメェこそ」この部分が粗いせいで、呼びかけている対象が見えにくい。読者に「なあわかるだろ?」って期待している部分が大きすぎる感じですかねー。

花緒:ジョヴァン二作品は次点に残したいかなあ。クリエティブライティング路線の中では、かなり趣向が凝らされている部類では。 白島さんはまりもさんの意見が聞きたいです。わたしは優良でいいような気がします。

まりも:火の鳥―白島真
小品だけどスケールが大きい佳品なので、優良クラスに入れていいと思いますよ。

天才詩人:憂愁 火の鳥 翳 これらの語が指示するところのものが今ひとつ入ってこないんです。

まりも:抽象的なロマンティシズムを喚起する言葉に寄りかかりすぎている、観念的すぎる、とも言えると思いますが、逆に観念的で強度のあるワードを用いているがゆえに、詩作への情熱や、再起への情熱を上手く言葉に置換した、とも言えると思いますが・・・作者自身のコメントの中にあったように、火の鳥、として表象される観念を、詩で説明した作品でもあるわけです。
自身の情熱を火の鳥にたとえる、それは多くの人が思い付くことだと思いますが、コメントで、海飛さんでしたか、爪に注目している方がいたと思いますが・・・
自身の記憶に深い爪痕を残している、ことを苦く思い起こさせる。それでも説明しすぎていない、一歩手前で止めている、そこが良いように思うのですが・・・短詩であるがゆえに、観念性が前面に出すぎてしまっているので、具体的なイメージとして追体験しにくいと思います。
より具体的に、自身の身体感覚に引き寄せて入れば、スケールの大きな秀作になっていたと思うのですが・・・もともとツイッター用に圧縮して創作したとの経緯もあるそうですし。もっと展開して、スケールの大きな作品に仕上げてくださったものを読みたい、という思いはあります

天才詩人:(ウィキペディアからのコピペ)自ら焼死したのちに蘇るという伝説は、エジプト神話をルーツとしながらもギリシア・ローマの著述家によって作られたものである。しかし、ローマ帝国では繁栄の象徴となり、フェニックスの姿がコインやモザイク画にあしらわれるようになった。また、キリスト教徒にとっても、死んだ後に復活するフェニックスはキリストの復活を象徴するものとなった。

まりも:辞典を調べての創作というより、イメージでしょうね、きっと。手塚の『火の鳥』をリアルタイムで読んで感動した世代かどうか、聞いてみたい気もします

天才詩人:火の鳥のイメージってすごく散逸していて、ネットで調べてもよくわかりませんでした。

まりも:人によって異なり、文化によって異なる・・・イメージだからこそ、漠然とした観念的な捉え方になるのでしょうけれど・・・一般的な火の鳥、より更に1歩踏み込んだ、これが私の火の鳥、というところまで、届いていないのかもしれません

百均:今までの議論を踏まえて、僕なりにリストを再編しました。

「花曇り」―桐ヶ谷忍
蒼ざめし―北
把握していない真相な新装のーおよそ紺にて
no title―浅井康浩
オホーツクの岬―祝儀敷
愛くるしさの檻の中でー子猫沢るび
新宿のシャンゼリゼでベトナムごっこをしたいだけ―り
(昇格)かなしみ―あきら
(昇格)ブラックコーヒー―奏熊ととと
(昇格)距離―tatsuhikoKAWABE
(昇格)歓喜の歌―田中ジョヴァンニ
(昇格)the bird―湯煙
(昇格)なかった、ように―夏生
(昇格)今日の競争―kikunae
(昇格)ということ―なかたつ
(昇格)なきむし―グーグルグル夫
(昇格)ル・カ 白犬

キュレーション推薦作

(降格)かぐやの涙―祝儀敷
(降格)外灯―塚本一期
(降格)かみさま―鳩村
(降格)「檻の中の同性愛」エッセイ―桐ヶ谷忍
午前10時のあおいそら―双葉月ありあ
さくらちゃん―poppocider1
水を過分に含んだように重そうに―田中恭平
塵―湯煙
スーパー踊り子豚野郎―5 or 6
おごっつぉ―あきら
Swan Song―ひいらぎ
火の鳥―白島真
食事―弓巠
屁の軽減―エイクピア
せいけつなくらしと、―葛西佑也
この街では星が見えない―およそ紺にて
落ちていく―tatsuhikoKAWABE
(昇格)今日も周るよ 地球は大爆発―ステレオタイプ
(昇格)骨の白さ―こころん
(昇格)ワールズエンド・スーパーノヴァ―仲程
(昇格)天文潮―鈴木海斗
(昇格)救いようのないバカの缶詰―タムラアスカ
(昇格)viciousness―繰原秀平
(昇格)言葉弔い―夏生

落選

death―こころん
イヴ・サンローランのフランス―fiorina
アタの涙―fiorina
がんじゃまんたけし―suicide samurai wann
希望灯―田中恭平
さんらー は― 仲程
うぉんと えんげいじ―なかたつ
琵琶湖疎水扁額史會―北
Saveと私―タムラアスカ
さざんくろす―Migikata1
地面を舐めた―夏生

※ (昇格)(降格)(落選)につきましては天才詩人さんのリストを基準にした表現となっております。

天才詩人:とりあえず昇格作品、「推し」度が高い順にならべてくれませんか。そうしたら、上からできるところまで話し合っていける。
とりあえず優良・キュレーション推薦作にあげたいものをプライオリティ順にならべてくれれば、緊急度の高いやつから順に話し合っていきましょう。

百均:了解しました。

優良 昇格(したい)

(昇格)ブラックコーヒー―奏熊ととと
(昇格)なかった、ように―夏生
(昇格)ル・カ 白犬
(昇格)距離―tatsuhikoKAWABE

優良or佳作ライン

(昇格)the bird―湯煙
(昇格)今日の競争―kikunae
(昇格)ということ―なかたつ
(昇格)なきむし―グーグルグル夫
(昇格)歓喜の歌―田中ジョヴァンニ

佳作ライン

(昇格)天文潮―鈴木海斗
(昇格)viciousness―繰原秀平
(昇格)骨の白さ―こころん
(降格)かぐやの涙―祝儀敷
(昇格)救いようのないバカの缶詰―タムラアスカ
(降格)外灯―塚本一期
(降格)かみさま―鳩村
(降格)「檻の中の同性愛」エッセイ―桐ヶ谷忍
(昇格)ワールズエンド・スーパーノヴァ―仲程
(昇格)今日も周るよ 地球は大爆発―ステレオタイプ

一応順位としてはこんな感じになります。

天才詩人:百均さんのセレクション、まず心構えとしてちょっと疑問が残るというのがありますね。

百均:そういう事言うんだったらあれなんだけど、僕も天才詩人のスタンスに疑義を覚えるから提案してる訳です。

天才詩人:まずこのセレクションで、仮に何も反対意見が出なければビーレビの名前で出せる。そういうことですよね? それくらいの覚悟を持ってやっているのか、という点です。

百均:全作品にコメントをつけて、評価したんですけどね、僕は

天才詩人:他の選者ならどう読むか、バランスとかをちゃんと考えて自分なりに努力して中心線みたいのを見定めてリストをつくる。俺は少なくともそういうやり方でやっています。 もし反対意見がなければ、これでビーレビの全体的な見解として出せる。そういうスタンスでやっています。

百均:勿論いいですよ。ただ、評価なんていくらでもひっくり返るケースなんて今まで多々ありましたよね?

天才詩人: いいですか、これはバトルじゃないんです。最終的にビーレビの見解を出さなければならないんですよ。

百均:天才詩人さんしか推してない作品だってあったでしょう。その中で天才詩人による説得によって評価が逆転した書き手だっていますよね。

天才詩人:今からのこのこと自分のリストを作るというなら、そこらへん考えて出してくれませんかね。ホンキで右肩さんの「さざんくろす」を落として、夏生さんを優良に入れるんですか?フィオリナさんのようなあきらかに文章としてよく書けているものを落選にしていいんですか?

百均:僕は書けてないという判断です。あまりにも断章すぎるでしょう。

天才詩人:わたしの見解は一点だけ。もし独自のリストをつくりたいなら、誰も反対しないということを想定して、ビーレビの、あくまで完成した最終セレクションとして、ほんとうにそのまま出せるのか、何度も自問して、そうやったものだけ出してくれ。

百均:独自のリストを作るというのは、別に最終的にそれが壊れてもいいという判断でやってますよ。勿論天才詩人の作ったベースが議論する上で大事ですよ。でも、そこから漏れた作品については一切検討しないというのはお門違いなのではないでしょうか?

天才詩人:それでは、百均さんが昇格したい4作から行きましょう。
ブラックコーヒー―奏熊とととhttp://breview.main.jp/keijiban/?id=269
2連の出来が悪いですね。ライティングに持久力がない、というカンジがする。粘る作者だったら、印象的な一連目を踏まえてもっと説得的にまとめることができるはず。構成がダメなので優良はちょっと無理かと。

百均:個人的には構成の方が優れているかなぁと思うんですけどね。寧ろ叙述の方が甘いなら分かる感じです。

天才詩人:「鉄棒とコンクリートで囲まれた箱で/もみくちゃにされた帰り道」 このくだりも学校でいじめを受けたことの比喩として読める。でも比喩として上手くない。

百均:単純に鉄筋コンクリートで出来たビルの事じゃないかなとおもうんですがね。

天才詩人:ビルの中に鉄棒無いでしょ。

百均:鉄筋コンクリートで使われる棒の事を鉄棒と呼ぶのです。学校という読み方自体が僕は疑問すね。鉄棒と箱=学校? ってなるかなぁ。

天才詩人:どちらにしても比喩としては低レベルですよ。

百均:この作品のポイントは、僕は苦さだと思っています。自動販売機とかかってると思うんですけどね。

まりも:「ブラックコーヒー」に関して言えば、シチュエーションの特定や謎解きは、読者の仕事であって選者の仕事ではない(笑)
私も学校をイメージしたけど・・・鉄棒、という語が学校の校庭を連想させ、そこからコンクリートの建物を校舎とイメージしたのかもしれない
鉄棒が鉄筋コンクリートの鉄筋であるとして、読み手が学生時代を想起すれば、校舎が脳内に立ち上がる。会社員なら職場のビル、専業主婦なら居住しているマンションとその人間関係、病院や特養ホームに居る人は、そのイメージで読むかもしれない
シチュエーションがどこに代わっても、読者が作者の伝えたかった感情の起伏や強度を受け取れるか、そこが焦点なのでは? まあ、そこは細かな問題なんですけど。
シチュエーションの詳細な設定が意味を持つ作品、湯煙さんの、一杯飲み屋の鮮明なイメージ化とか・・・そういう作品は、逆に設定が明確な分、途中から作者が飛躍してしまうと、読者が作者設定の舞台に取り残される印象になる
鉄棒で「区切られた」空間なので、そこは百均さんの言うとおり、鉄棒は鉄骨をちょっとずれた言い方で言ってるんだとも思えます。

天才詩人:面白いですね。

まりも:そうした、意味から立ち上がるものと、鉄棒という単語が最初に喚起するイメージが残像のように残る、その効果と・・・語順などが重要になるのは、その残像効果によると思います

天才詩人:そうですね。そういう方法でリファレンスの網の目を作る戦略もありますね。

天才詩人:どっちで読んでも作品の受け取り方には大差ない。ただ、ブラックコーヒー、1連目(誤字2箇所は要修正)が印象的な反面、2連目はどこかしらやっつけ仕事だと思うんですよね。

百均:http://breview.main.jp/keijiban/index.php?id=269
取り敢えず僕の見解をレスしておきました。

天才詩人:百均さんの読みはOKでしょう。ただ読者が補ってやらねばならない、親切さみたいのがないと、そう理解するのは難しいとも思います。とにかく最後の3−4連が粗いんですね。「味わった苦味や酸味は/僕自身のつらさを知っていたんだ/同情の味なんて言葉じゃ言い表せないほど/星のない夜の味は優しかった」星のない夜の味=コーヒーという隠喩関係、それはいいとして、最後の「優しさ」ここに落とし込んでいくトランジッションがうまく機能していない。読者を置いてけぼりにする。

まりも:叙述的な粗さは確かにありますね。

百均:夏生さんのコメント、引用します。「なんで?と思う素直さ、幼いなりに分析していく過程が成長の兆しなのでしょう。ブラックコーヒーの味わいに暗い印象を持って、トラウマと感じた子どもの頃から、鉄棒とコンクリートに囲まれた箱の中での生活から、ブラックコーヒーの苦みに救われる最後。とてもいいなぁと思いました。」いかがでしょう。
まぁ、読者一般に訴求できるか、というのは・・・そうですね。確証を得られ難いかもしれない、そこは同意せざるを得ないっすかね。

天才詩人:いい作品だとは思うんですよ。ブラックコーヒー=闇という喚起力はものすごい。百均さんがどうしてもというなら、激励的に優良でもいいんじゃないかな、と個人的には思います。ほかの方々の意見を聞いた上で。

百均:了解しました。これ以上は僕のワガママになると思いますので、皆さんの判断に任せます。話を聞いて下さり、ありがとうございました。

百均:夏生さんについては、以下が僕の持ってる見解です。http://breview.main.jp/keijiban/index.php?id=332
天才詩人:夏生さん、構成は良いのだけど、展開してくる世界の面白さとか奥行きが弱い。

百均:まじすか…僕は寧ろ面白く感じ、奥行を感じたんすけどね…

天才詩人:百均さん、夏生作品への感想みましたが、過剰に読み込んでいるという印象を受けました。肌というワードに注目していますがたとえば「木肌」という言葉もあることですし。とくに人間へのリファレンスは目につかなかった。むしろ通常ならば単調で退屈な掃除という作業にクリエイティブな断面を見出そうとしている。日常の小さな発見、そこから何を言い得ているか、くらいでよい気がします。

天才詩人:白犬さん。「ル・カ」http://breview.main.jp/keijiban/index.php?id=285
スルッと読めてなんかほのぼのしたカンジが伝わってくるとしても、それ以上ではないかな。がんばっても次点止まり。 白犬さんはライティングは飛び跳ねてるんだけど飛躍するための「深度」が足りない、というか表層的な手触りがありますね。

天才詩人:距離―tatsuhiko KAWABE http://breview.main.jp/keijiban/?id=355
終わり方に不満が残るけど、優良でも可。ビジュアル系の、最近こういう作品読んでなかったな。でも、つくりとしてチープな印象。

よってちゃんと読ませないように仕向けている。要は、流して読めちゃうんですね。中身は単純で、毎日生きる上で選ばれる、選ばれないという断絶に右往左往される自分、僕、あるいはあなた、という存在。その辛さなんですが、それを間に受けて真正面から描くのではなくて、受け流すようにサラサラ書いている。
それはまるで、高速道路のように時流がどんどん加速していって追いつけなくなる人間を見ているかのようです。今思うとあれかもしれないな。僕自身がちょうど就職活動で不採用食らいまくってる心境みたいなのが結構効いて来てるのかもしれませんね。ここでは作品が舞台になっている訳ですが、選ばれないことの連続、それに順化していくわたしたち。選ばれないことは当たり前であるが選ばれる為にはもっと書かなければならない。毎日の持つ速度に追いつかねばならないという感じでしょうか。そこらへんが技術的な物として( ) / に現れている。というのか、そこが器用だなと思いました。ただ辛いだけを書くのであれば、誰でも皆基本的には辛いのだから、そこは書いてもしょうがない。本作はその点工夫がなされていること。それらきっちりスタイルとして伝わってくること、そこに上手さを感じます。
そう、「、」や「。」というのはブレスのポイントなんですね。そこで一拍、あるいは半拍置くための記号なんです。が、ここでは息を付かせてくれない。選ばれるまでは。

花緒:正直、詩そのものより、百均の解説の方が面白いかもしれない。逆に言えば、コンセプトがたちすぎているという天才詩人のコメントに尽きるようにも思う。君が面白く読んでいるだけで、面白い作品じゃないのでは、とも感じる。繰り返しになるけど、百均さんのプレゼンを聞いてなお、コンセプトだけみても、そこまで新規性ないでしょうと思ってしまう。宮台真司がうん十年前に言っていた援助交際絡みの話を再び聞いているような感じがする。が、ここまで、語ったんだから、次点にして語った内容を公表しては?そういう判断はアリだと思う。
ジョヴァンニ作品については、百均の意見に賛同する。次点で良いと思われます。クリエイティブライティング系に甘くしすぎちゃダメな気がします。文章が粗雑なのはマイナス。乱雑な文章を書く私が言えた話じゃないが。

天才詩人:アタの涙、次点に移動しますか?

まりも:次点でいいように思います。Migikataさんの「さざんくろす」、面白いのですが、言葉がナマすぎるということと、散漫な印象を受けるのですが…。
個人的には、海飛さんの大きな空間性と、ポップなお伽噺のような言葉を入れ込んでくる感覚、優良でもいいような気がしています

天才詩人:「さざんくろす」、散漫なところもありますが、刺さってくるフレーズもあるんですよね。わたしは次点でもOKです。花緒さんは優良推しですね。

花緒:がんじゃまんたけし、落選はないです!面白いじゃないですか!

天才詩人:がんじゃまんたけしhttp://breview.main.jp/keijiban/?id=311
少子高齢化、公共サービスの崩壊とか言ってることはメディアの受け売りですよね。面白いのはsuicide samurai wannさんという人間のキャラ。☜大部さんって、どこから出た名前でしょう?(百均)おそらくsuicide samurai wannさんのことです。修正しておきました。

天才詩人: まりもさん、「がんじゃまんたけし」はどう読まれましたか?

まりも: ノリの良さに、社会批評的な、でも論理的なプロテストとか、生真面目なプロパガンダではなく・・・「ええじゃないか」的な祝祭性を感じます、勢いがあって、面白い 。

花緒:がんじゃまん、は歌詞っぽいです。いわゆる現代詩ではないのかもしれない。しかし、面白いではないですか。

花緒:鳩村さんの、優良推しは、別に文句ないです。クリエイティブライティング枠ってことで。今までのビーレビには、確かになかったパターン。

花緒:夏生作品、「さざんくろす」は委ねます。ストロングポジションはないです。

天才詩人:了解。「さざんくろす」=次点 「がんじゃまんたけし」=次点 ということで。

まりも: 夏生さんは「なかったように」一作でもよい気がします

天才詩人: 夏生さんは、「地面」のほうが秀逸な感じがするんですよ、個人的に。
まりも:夏生さんの地面、これは、理屈で攻めていく感じ。写生的でもある

天才詩人:ただ「テーブル」のほうは百均さんをあそこまで動かしたわけだから、これも捨てがたい。

まりも:なかった、ように、こちらも割りと論理で行くのですが・・・最終行の落としが鮮烈。
「 本当に何事もなかった と 間違えるまで」ここに、写生ではない、心理的な意味の二重性が集約される。「地面」の方は、期待を裏切られた童心の喪失感・・・叙情を叙事的に語っている。

天才詩人:百均さん、熱く語るのはいいし、それ自体面白いのですが、その熱さを100%キープしながら、ちょっと距離を置いて、「別の作品と比べてこれはどうか」という視点を持ちえたらもっといいと思います。全体を見渡す視点というか・・・

天才詩人:再度まとめをやっておきます。先に上げた二回目のリストから、

「檻の中の同性愛」エッセイ―桐ヶ谷忍
アタの涙―fiorina

二作を、<優良>から推薦作へ移す。

<キュレーション推薦作>に、新たに以下の四作を加える。

冬木 伸ばした手の先に
鈴木海飛 天文潮
白犬 ル・カ
繰原秀平 viciousness

時間があれば各自5月の全作品リスト(上のリンク)と照合して、積み残しがないかどうか、確認をお願いいたします。

花緒:大賞作、そろそろ、みなさん、大賞作の議論しません?私はもう意見表明しているので、天才詩人の意見が知りたいのだが。

まりも:大賞には、祝儀さんの「オホーツクの岬」を推したいけれど、直近で大賞を得ているので、他の投稿作品を候補として推したいです。

天才詩人:大賞はりさんがよいかな、と思います。候補としては塚本さんも。

百均:僕としては異論ありません。後はお任せしたくおもいます。大賞も異論なしです。

まりも:異論ありません。

天才詩人:大賞に関してはもう少しもめることを期待していました。

まりも:レスの往還でトラブルに見舞われた作品ですが、そのことと作品評とは切り離して考えましょう。新宿のシャンゼリゼで~―り
作品評としては、私がコメント欄に書いた通りです。
私は、オホーツクを推したいのですが、1度大賞を取っているので除外。その意味では、次点作ですが・・・
北さんの蒼ざめし
も、強く惹かれます。塚本さんは、最後のまとめ方が、あと一工夫あってもよかったかな。

花緒: 取り急ぎ大賞異論なし。りさんの作品は何度も読みましたが、多様な読みに開かれているし、リフレインも心地よく、ポエジーも強烈。読みやすいのも良いですね。一見ライトっぽいですが、推す価値があると考えています。

天才詩人:北さんの作品も相当の良作ですね。

まりも:コメントに、がーっと書いてます(笑) 百均さんの夏生推しと一緒。

天才詩人:イケメンの心臓という話ですね。読みました。笑

まりも:逆に、誰もコメントつけてないのはなんで?という・・・。後からレスを入れたりしている内に、スレッドが下がってしまって、目につきにくかったのかもしれませんね。個性も強いので、読者を選ぶ作品かもしれません。私は、非常に面白いと思いました。

天才詩人:読み返してみましたが、すごく面白い。 ただポップで多くに受け入れられるのはりさんの作品でしょうね。 りさんのシャンゼリゼは、既視感があるといえばあるんですが。

まりも:生と死の領域逆転のような。ユーモアの凝らし方の部分で、読者の好みが割れると思います。私は好きな方向性です。シャンソン風なんですよね。唄う詩。その心地よさ、ある種の大衆性を取るかどうか。その揺らぎのなかに揺れる、納められている、昇華された未練のような 。繰り返される、わすれた、という言葉。何をわすれたのか、なぜわすれたのか、そのことが謎のままに、それでも、誰の心にも潜む喪失感に触れていく。読みやすさや受け入れやすさに照準をあてた評価、ということでよいのではないでしょうか。

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